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子どもの貧困 支援策を行き届かせるために

貧困で悩む子育て世帯に支援の手が十分行き渡るよう、知恵を絞りたい。

子どもの貧困をめぐる実態調査の結果を東京都が発表した。首都大学東京が都内7区市で実施したもので、小学5年、中学2年、16~17歳のいずれかの子どもがいる家庭を対象にした「小中高校生等調査」と、15~23歳の若者と保護者に聞いた「若者(青少年)調査」からなる。

これによると、「世帯年収135万円以下」「水道光熱費や家賃の滞納などの経験がある」「塾に通えなかったり、本やおもちゃが買えなかった経験がある」などのうち、一つでも該当する家庭が2割を超えた。

子どもの貧困を具体的な暮らしぶりの視点から浮き彫りにしており、保護者の就労支援や子どもへの援助の必要性を再認識させられる結果といえよう。

ただ、今回の調査で見逃せないのは、貧困家庭に行政の支援が必ずしも行き届いていないことだ。

実際、ひとり親世帯の保護者の6.7%が国の児童扶養手当を、6.4%が都の児童育成手当を知らず、困窮層ほど行政情報に対する認知度が低かった。

支援が必要な家庭にどうやって支援情報を伝えるか。そのためには、行政が貧困家庭をどう把握していくかが課題といえよう。

この点で、東京都荒川区の取り組みは参考になる。一般に、児童手当、就学援助、生活保護などの支援策は行政機関の担当部署が分かれているため、各家庭の状況を包括的に把握しにくい。そこで同区は各部署が連携して貧困家庭を支え、各家庭の実情に応じた支援が速やかに実施できるよう関連部署の部長が協議する本部会を設置している。

民間の力も活用したい。貧困家庭の子どもたちに学習や食事の支援をする民間団体が増えているが、こうした活動の中で、行政情報を保護者に伝える手だても考えられるのではないか。

今回の調査では、支援制度を一つも知らない保護者の約1割が「相談する相手や場所がない」と答えている。貧困家庭を孤立させないとの姿勢こそ大前提であることを強調しておきたい。

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