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「残業しないと気持ち悪い人」の心のメカニズムとは?

習慣化コンサルタント 古川武士=文

なぜ、何冊も「時短本」を読んでも仕事を効率化できないのか?

先週のプレミアムフライデー。午後3時に退社できましたか?

今、働き方改革が大きなテーマになっている中、いわゆる「時短」本は書店で百家争鳴の状態。雑誌でもたくさんの時間管理に関する特集が組まれています。

しかし残念ながら、読んでも読んでも実行に移せない人は少なくありません。

効率的な時間の使い方を見に付けようとノウハウを学んだつもりが、果たせず、他の時短本や時短特集に手を出して……同じことの繰り返しです。時短本中毒になっていまっているのです。

構造的には、今度こそ痩せるぞとダイエット特集をむさぼり読んで、食事制限や運動は三日坊主というのと極めて似ています。

さて、今度こそ!

どうすれば時短が進み、仕事が効率化するのかを解説したいと思います。

1:なぜ、残業は減らないのか?

最初に考えてみたいのは、やはり日常的な残業の多さです。なぜ、残業は減らないのか?

残業が減らない要因は、会社や部署などの環境要因と自分の非効率さという問題に分けられます。要因として、無駄な会議、帰りにくい風土など“環境問題”があげられます。

時短本を読む意識の高い人は“自分要因”を改善しようと考える人だと思います。しかし、冒頭で述べたように多くの人は時短本や雑誌の新しいタイトルの本に目移りしてどこかに「一撃必殺の魔法」があるのではないかと情報収集に忙しい状態になります。まさしくダイエットと本質が似ていて、手法に頼るとキリがなくなります。

大切なことは、本質に向き合うこと。

私が経営者を含む多くのビジネスパーソンの皆さんを対象に、時短や生産性向上のコンサルティングをしていて確実に言えることは……。

長時間残業は、働き方の習慣の結果である。
だから習慣を変えなければ、残業はなくならない。

ということです。

時短したいのにできない、やっかいなメカニズム

手法の派手さではなく、「継続・習慣化するしか効果がでない」という立場を取れです。テクニック論を追っても、すぐに対処療法的で一時的に改善するだけです。

私のコンサルティングの経験上、毎週、3つ改善行動を決めて改善を1年続ければ、生産性が2倍、3倍にアップすることはよくあることです!

だから、魔法の手法を探すのではなく、地道に自分の時間改善策を3つ決めて(欲張らずに3つだけ)行動し続けること。それを積み重ねることで確実な生産性向上、時短が実現します(後述する過去記事も参照ください)。

2:私たちはいつも通りの仕事のペースが心地よい?

とはいえ、習慣化は簡単ではありません。

私たちはなぜ習慣を変えられないのか? 良い習慣を定着させられないのはどうしてか? それは、人は誰でも「いつも通りを維持したい」という心理が働くからです。次の図が、そのメカニズムです。


例えば、早起きする、禁煙する、退社時間を6時に固定する、など何か新しい習慣を始めようとする。と、それまでは寝坊や喫煙が普通だった自分のカラダや脳は新しい試みをなかなか受け入れられません。この、いつも通りを維持しようとする働きは想像以上に強いため、悪い習慣だと思っても、それを辞めるのは難しいです。

私たちはいつも通りのペースで、いつも通りの手順で、いつも通りの人と仕事をしたほうが精神的に安全を感じるのです。長時間残業で疲労していても、いつも通りを変える精神的リスクを考えれば、そちらに安住したほうがある意味楽なのです。この心理の本質、心の叫びを理解することが改善に第一歩になります。

「時短」を追求すると、人事評価ガタ落ち?


3:時短だけを追うと評価が下がる

「心の叫び」と相談しながら、時短化を一歩一歩進めるべきですが、ここでひとつ注意点が。時短は効率化の意味ではメリットですが、評価が下がるというケースがあります。

ある会社の人事部が時短を推し進めた結果、「社内で仕事を断る人が増えた」という声が増え、サービスの質が低下したり、営業成績が下がったりというケースもあったそうです。

だからこそ、私はふだん、時短ではなく「高密度化」というキーワードを提唱しています。高密度化とは、短時間で高集中、高生産性の時間活用をすることです。高密度化するには、仕事の力の入れどころと抜きどころを見極める必要があります。

極端な話、同じ手順と同じスピードで仕事を進めながら、単に時間だけを減らすと仕事の成果は低下します。手順とスピードを変える必要があるのです。その具体的なノウハウは、本連載の過去記事を参照ください(「高密度仕事術(原則)」(http://president.jp/articles/-/15637)、「高密度仕事術(スキル)」(http://president.jp/articles/-/15742)、「最重要の仕事を朝一番に片づける習慣」(http://president.jp/articles/-/16515

ここまでの論点を整理すると、生産性を高める仕事術には、

●どんないい施策であっても、継続して習慣を変容しなければ変われない。
● 仕事の力の入れどころと抜きどころを見極め時間の投入対象を変える

ことが重要です。

具体的な手法については、上記の参照記事内にも実践のコツを記載しました。

例えば、大切なのは、

● 時間を見える化すること
● 退社時間を制限すること
● 力の入れどころの業務を増やすこと
● 毎週3つの対策を講じていくこと
● きちんと寝て充電すること

などです。時短実現には、習慣化がポイントであるという本質を意識して取り組んでいただければ幸いです。

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