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身元判定におけるDNA検査

177-衆-厚生労働委員会-8号 平成23年04月15日
○阿部委員 ありがとうございます。
 今のように具体的にお答えいただければ今後の進展が望まれますので、ぜひ岡本政務官にもよろしくお取り組みをいただきたい。
 そして、最後にDNA鑑定のことをお話ししたいと思いますが、このDNA鑑定については、皆様のお手元に資料を配らせていただきましたが、多い年で四百件余りが鑑定され、判明する、しないもございますが、これは、拾われた御遺骨に対して、御遺族の側が自分の資料を持っていかれてマッチングをするという形でございます。
 一枚めくっていただきますと、大体、例えば御遺骨が七千二百八十件あって、御遺族の側が二千八百七十二。なかなか、六十五年もたつと、情報が得られて、御遺族が名乗りを上げてくれないのでおくれておりますが、ぜひこのDNA鑑定という手法は今後も充実させていただきたいと思います。
 あわせて、さきの東北地方の大震災、津波においても、まだ行方不明者が一万人以上おられます。今後、時間との経緯もございますが、DNA鑑定というのは、今の東北地方の震災においても、例えば、どなたか判明せず、しかし御遺族、御家族は必死に求められておりますから、充実させていくべき分野と思います。
 細川大臣、この件について、さらに今九機関がDNA鑑定を大学でやっております。予算を充実させるなりなんなり、そして人を育てないとこの部分はスピードアップされませんが、ぜひ、今回不幸な出来事ですが、本当に愛する者をその胸元に帰してあげるためにお取り組みを、ここを強化していただきたいですが、いかがでしょう。

○細川国務大臣 DNA鑑定につきましては、私はこれから強化していくべきだというふうに考えております。
 今回の震災の件でも、多数の方が亡くなられました。したがって、この人たちの身元を判明するための資料を、死体検案をするときに資料をきちっと残しておくということで、DNA鑑定ができるような資料もそれぞれの御遺体のお一人お一人について残している、そういうこともきちっとやっております。
 そういうことも含めまして、今委員が言われました戦没者の御遺骨のDNA鑑定の件、それから、さらに私は死因究明ということでもいろいろとそういうことが大事だというふうに思いますので、これから先、DNA鑑定についてのしっかりした体制をつくってまいりたい、このように考えておるところでございます。

○阿部委員 ぜひその覚悟でお取り組みいただきたいと思います。
 終わります。

今回の震災では、行方不明者についてどのような身元判定するのだろうか。

発見されたご遺体については、免許証など持ち物の検査、ほくろや手術の痕跡など身体的特徴の記録、指紋の採取、歯科所見の記載、DNA検査用のサンプル採取を実施していた。


初期の段階では、顔写真入りの身分証明書をポケットなどに入れていて、風貌が一致すれば、身元が判定されるとしてよいだろう。ただ、問題は、今回の津波の被害では、衣服が脱げてしまっていたご遺体が多いため、身分証明書を持っていない方も多くみられたことである。そのため、その他の方法による身元判定を行うよりほかない。しかも、日数が経てば経つほど、遺体もいたんでくるので、DNA検査用のサンプル採取も困難になってくる。最初は血液が採れていたが、現在は、血液が採れる段階ではないので、爪などを採取したり、爪も採取できない状態では、歯や露出した骨の一部等を採取するよりほかない。

先日、各省庁から、今回の震災では、そうした身体の一部の採取を緊急回避的に許容する通達が出されたのもそのためである。

一方で、採取したDNA検査用のサンプルからどのようにDNA検査をし、行方不明者と照合させるのかということと、採取した歯科所見からどのように照合をするのかが、今後考慮すべき重大な課題といえるだろう。

各都道府県警察には、科学捜査研究所がある。47か所の科学捜査研究所には、それぞれ、およそ1時間で16検体を同時に検査できるDNA分析機がある。一晩自動で動かしていれば、一つの機械で200検体ほどの検査ができることになる。それが47か所にあるので、理論的には全国の科捜研に資料を配れば、一晩で9000検体以上が処理可能ということになる。現在身元が分かっていないご遺体は数千もないので、理論的には一晩あれば、すべて分析可能ということになる。また、発見されたすべてのご遺体をDNA検査するとしても分析の部分のみについて考えれば、2晩もあれば検査ができてしまう計算になる。

しかし、むしろ問題は、分析にあるわけではない。DNA検査には、1.採取した試料からのDNAの抽出、2.PCR法によるDNAの増幅、3.増幅した DNAの分析といった過程があるが、その中で一番難しく、時間がかかる部分は、採取した試料からのDNAの抽出である。血液からのDNA分析は比較的初心者でも容易に実施できるか、遺体が古くなってくると血液が採れなくなってきて、爪や骨といった試料からDNAを抽出しなければならないが、そうした試料からのDNA抽出は、熟練した者でなければ実施できない。

いくつかの研究所等からDNA検査の支援について打診があったがあったと聞くが、分析の部分についての支援要請がメインのようで、DNA抽出の部分については、おそらく支援可能な機関はほとんどないと思われる。もし法医学研究所があれば、こうした部分でも協力できたと思えるが、現在ないものは仕方がない。気合いで乗り切るしかないだろう。

一方、歯科の場合、せっかく採取した歯科所見が実際の照合においては使用できない場合もあるのではないかとの懸念も出ているようだ。こちらは、明らかに準備不足であったように感じる。歯科医が全国から派遣されたものの、統一したプロトコールで歯科所見が採取されたわけでもなく、採取した歯科所見をどのようなデータベースに入れて検索するのかといった統一的方法もなく、また場所によっては歯科レントゲンや口腔内写真が取れていなかった場所もあり、のちの照合で困難をきたす場面もあるようだ。せっかく全国から歯科医集まったというのに、結局、遺族が生前カルテを持って申し出た段階で、再度歯科医が照合するというようなこともあるようだ。まあ、これでなんとかなるといえばなんとかなるのだが、迅速にできるかといえば、問題が残ったと思われる。

警察庁のほうでも、行方不明者についての生前歯科所見のデータベース化や、デジタル歯科レントゲンの全国での使用をここ数年考慮していたと聞くが、こうしたものがあと一年早めにできていたらと思うと残念である。これも死因究明制度の不備に関する議論が日本で立ち遅れてきたことの結果のような気がする。

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