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不思議な言葉

余震で79歳ショック死 宮城県内83人以上けが(2011年4月8日朝日新聞)

 宮城県石巻市の石巻赤十字病院によると、8日未明、男性(79)が心肺停止状態で運ばれてきたが、間もなく死亡が確認された。病院はショック死とみている。7日深夜に起きた東日本大震災の最大余震で死者が確認されたのは初めて。

 同病院にはこの男性を含め救急患者29人が運ばれた。他の28人は軽傷で、いずれも自宅に帰った。

 同病院には今回の余震後、近所の人ら200人ほどが避難してきたため、急きょテントを設置して受け入れた。津波警報が解除(8日午前0時55分)され、帰っていった。

 宮城県内各地の消防本部や病院によると、宮城県内で少なくとも83人がけがをした。震度6強の強い揺れが襲った北部の栗原市では、逃げようとして割れたガラスを踏んで足を切ったり、倒れた家具にぶつかったりして14人が負傷。仙台市では、避難所になっている同市若林区の七郷小学校で、津波を警戒して屋上に避難しようとした70代の女性が転倒して頭を切った。

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この記事を書いた記者さん、ショック死ってどんな意味で書いたのだろうか。新聞には時々摩訶不思議な言葉が出てくる。たとえば水死という言葉もその一つだ。

人が溺れて亡くなった場合、医学的には溺水とか、溺死といった言葉を使う。溺死の診断は、案外簡単ではなく、本来であれば、解剖や他の検査をしなければ、溺死した可能性について論じることは困難だ。それなのに、報道では、川や海で遺体が発見された場合、解剖する前の段階から、水死体発見とされ、ろくに死因も調べていないのに、水死と判断されたと報道される。このように、報道で使われる水死という言葉は意味のわからない独特の言葉である。

一方、ショック死という言葉も不思議だ。医学的にはショックとは、たとえば血圧が下がったような状態が継続して、脳や心臓などの臓器が循環不全になるような状態を意味している。この状態は精神的なショックとは全く関係ないものを意味している。

一方で、一般的には、ショックという言葉を使うと、精神的ショックのイメージを抱きがちであり、報道の中でショック死と書いている場合、何らかの精神的ショックによって死亡したという意味で書いてあるような印象を受けるものが散見される。今回の報道のショック死は何の意味なのだろう。

それにしても、あいまいな表現だ。この報道だけでは、何かの下敷きになって、外傷を負い、それによる出血等で、医学的な意味でのショック状態になったのか、あるいは、地震でびっくりしたことで、心筋梗塞になった可能性を示唆しているのか、よくわからない。後者であるとすれば、正確に死因を判断しておいたほうが、後で災害関連死の認定を巡って問題になる可能性を下げることができるのだろうとは思うが。

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