[リスボン 20日 ロイター] - ポルトガル財務省は20日、欧州で債務危機が広がった2011年に欧州連合(EU)や国際通貨基金(IMF)から受けた金融支援のうち、17億ユーロを新たにIMFに前倒しで返済したと発表した。これにより、IMFから受けた支援の半額を早期に返済したことになる。
同省は声明で「国内の好調な経済・金融情勢を反映し、計画よりも6カ月早く返済を実施した」と表明。
ポルトガルは金融支援脱却後、債務の利払い費削減のため15年にIMFへの早期返済を開始。
政府は先週、16年の財政赤字は対国内総生産(GDP)比で2.1%以下に低下したと発表。欧州連合(EU)の財政規律で定められた3%の上限を下回ったのは初めてで、同国の民主化以降で最も低くなったことになる。
14年まで続いた同国の金融支援は780億ユーロに上り、IMFはそのうち約3分の1を拠出。IMF拠出分の利回りはEUによる融資の利回りや現在の市場利回りを上回っており、ポルトガルは国債発行により資金を調達し、前倒し返済している。