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東電と小出裕章氏の原発事故に対する認識は実は同じである

ここ最近、思っていることがある。

それは反原発、脱原発を主張している人々、たとえば小出裕章氏と東京電力の福島第一原発事故に対する認識は実は同じなのだということだ。

東電は東日本大震災が起きて発電所の全電源が喪失した時点で全面撤退したい旨、政府に伝えたという報道がある。これについては東電は否定しているようだが、しかし少なくとも原子炉が制御不能の深刻な事態に陥ったことは正確に認識していただろう。

だとしたら、「こりゃアカン、逃げよう」と考えたとしても不思議はない。

一方、小出氏の同僚である京都大学の今中哲二助教は、福島第一原発の状況を聞いて「涙が出た」という。



つまり両者ともに破局事故だという認識で一致していたのである。

その後、3月末には当時の東京電力社長、清水正孝が入院する。これについては「雲隠れ」などと批判されたが、自分の経営する会社が日本ばかりでなく世界をも、そして未来をも巻き込む大事故を起こしたのであれば、気も狂わんばかりの思いになるのは当たり前のことで、要は清水という男は、そこそこ普通の神経の持ち主だったから入院したのだろう(それが普通でない神経の持ち主の会長、勝俣には我慢がならなかったわけだ)。

福島第一原発の破局事故は、国の根幹を揺るがすものであり、しかも現在も進行中である。実際問題として、メルトダウンし、メルトスルーした炉心が今どこにあるのかすらもわかっていない。

にもかかわらず、政府と東電は冷温停止状態を年内に実現すると主張している。

これについて小出裕章氏をはじめとする専門家は、すでに燃料は圧力容器の中にないのだから、圧力容器の健全性を前提とする「冷温停止」という言葉を使っても意味がないと指摘している。

そんなことは素人が考えてもわかるわけで、もちろん政府も東電も百も承知だろう。

にもかかわらず、なぜこのようなあからさまなウソをつくのか。

それは、すべての事実を正しく発表すれば、「東京電力が何度倒産しても、日本国が倒産しても贖いきれないほどの被害」(小出裕章氏。↓ビデオの6分58秒あたりから)が明らかになるからに他ならない。



もちろん、電力会社は用意周到だから、原子力損害賠償法を作って、破局事故への備えはしている。しかし、そうは言っても、現実問題として正確な事実を国民が知ったら、さしものおとなしい、世界でも稀に従順な国民であっても心穏やかではない。

となると東京電力の企業としての存続は危うくなり、これまで原子力行政を進めてきた連中、すべての責任問題が浮上してしまうだろう。

壊滅的な打撃を受ける農業、漁業の補償、あるいは学童疎開や移住のための費用。これらは、いったいいくらかかるのか見当もつない。

その他にも社会的な混乱が少しく起こり、その賠償請求が回ってくる可能性だってある。たとえば、いま柏の放射線量が問題になっているが、これが柏のみの問題に止まるはずはなく、これから各地でこのような現象が報告されるだろう。住宅地であれば、当然、地価は下がる。その結果、損をする人も多数出てくるわけだが、その責任を誰がとり、誰が補償するのか?

福島第一原発の影響で発生する放射性廃棄物、そしてこれから原発を廃炉にした際に出てくる同様の廃棄物は幾何級数的という言葉さえ超えるものであって、しかもその最終処分地は現状ではどこにもない。

核燃料サイクルなどというものは、すでにとっくの昔に破綻しているが、しかし稼働した原発から生み出される使用済み核燃料の行き先もない(だから、これ以上、原発を増設することなど、実は最初からムリなのである)。万年単位で管理しなければならない、それらの保管場所を誰が見つけるのか?

つまりすべては手詰まりなのである。

こういう状況のなか、政府や東電の人間が考えているのは、もはやただ一つ、ひたすら自らに降りかかる責任から逃れることだ。それも自分たちの子や孫すらどうでもよく、ただ自分が生きている間に身の破滅が起きないこと。それだけが実現すれば、その後に何が起ころうが知ったことではないというのが彼らの態度だと私は思う。

ただし、今回ばかりは彼らの思い通りにはいかないはずだ。

なぜなら、どんなに事実を糊塗しようとも、放射能による被害は確実に広がっていくのだから。

・琉球新聞社説(2011年10月23日)
福島全原発廃炉 危険性は全国民の問題だ

・ゴミ焼却で放射能再揮発しホットスポット作る!ガンダーセン10/20(字幕)


・【西ドイツ放送】 死の地域に生きる

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