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中国の市民に広がる無力感

7月23日に発生した高速鉄道事故の調査の進展状況に関する調査チームの報告が9月21日、国務院から突然発表されました。もともと調査チームは「9月半ばまでに調査結果報告を公表する」としていました。しかし、「半ば」とされる9月15日を過ぎても調査報告は発表されず、一般市民の不満も相当たまっていたといえます。そのような状況下でしたから、国務院としては何か一言言わざるを得なかったのでしょう。

今回発表された報告は「報告」という体裁を採ってはいるのですが、真相解明になる具体的なデータなどは何一つ発表されませんでした。

真相究明のために、これまでにかなり手間のかかることをやってきたということ、多くの研究会や検討会などを開催して練りに練っているということなど・・・要するに調査作業が長引いていることに対する「いいわけ」に過ぎないものだったのです。その上極めつけは「多くの技術や管理面の問題をさらに掘り下げて分析・検証する必要があるため、事故調査報告にはまだある程度の時間が必要だ」との文言。これで、中国の一般市民が納得するとは到底思えません。

テレビやラジオも、ほとんど高速鉄道事故関係のニュースを報じなくなりました。中国のすべての人の記憶から今回の事故がなくなり去ったそのとき、最終調査報告が発表されるのでしょうか。

この報告発表数日前の9月18日、鉄道事故を起こしたJR北海道の社長が心労のために失踪、自殺したというニュースが中国で報じられました。このニュースは中国の一般市民に大きな反響があったようです。各メディアの当該記事のコメント欄には多くの書き込みが寄せられました。

その多くは、先の鉄道事故の責任を取って自殺した中島社長の責任感を賞賛する内容でした。現に新浪の当該の記事についたコメントを見てみると、多くの人たちが「死を持って事故に反省を意を表した。中国人も見習うべき」といった内容であふれています。

ちょうどこのニュースが報じられたのは、満州事変記念日である9月18日でした。普通は反日感情が高まる時期で、満州事変に絡めて日本人に言いがかりをつけるような書き込みであふれかえるケースがほとんどである中、このような日本人への称賛一色のコメント欄は非常に珍しいといえます。「日本人は嫌いだが、日本人の真剣で責任を持つ精神に、私は敬服する」「日本人はちゃんと責任取るのに、王勇平はのうのうと外国に逃げている(この書き込みは削除されたようです)」というコメントさえありました。

逆に考えれば、JR北海道社長の自殺の報道に対する一般市民の反応を見た国務院が、世論の矛先が鉄道部に向かうことを危惧したため、「中身のない」事故調査の中間報告の発表に至ったともいえるでしょう。

このような動きから見ても、一般市民の先の鉄道事故に対する不満はいまだ相当くすぶったままなのは明らかです。国務院の最終報告は、彼らの不満を解消できるものとなるのでしょうか。

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