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北戴河で何が起きたのか

高速鉄道事故があったからでしょうか・・・今年の中国共産党指導者の夏は例年とは違ったものになったようです。

例年7月の終わりから8月の上旬にかけて、共産党の政治局常務委員クラスの指導者は河北省の北戴河で静養をとることが慣例となっています。つまり毎年この期間、政治局常務委員クラスの動静が途切れるのが普通となっています。このことについては、当ブログの過去の記事でも何度も取り上げたと思います。

しかし、この期間「政治局常務委員の動静が完全に途切れる」わけではありません。

江沢民政権以前は北戴河に集まり、今後の政策運営を極秘裏に決めていたこともあり、この期間政治局常務委員の動静はほとんどありませんでした。しかし胡錦濤政権になってから北戴河会議が廃止されます。

廃止後も政治局常務委員は北戴河で政策協議を行っているようですが、北戴河での活動の重要性は年々薄れ、近年では北戴河での労働模範との会見や、外国の要人との会見など、常務委員クラスの動静もいくつかではありますが報じられてきていました。私も、これらのニュースを見て常務委員の北戴河での動静を確認しながら、「中国共産党も開放されつつあるのかも」と実感していました。

しかし今年は例年と違ったものとなりました。政治局常務委員クラスで絞ってみてみると、「ナンバー8の賀国強中央紀律検査委書記が7月29日に規律検査監察系統の先進模範代表と北戴河で会見した」とのニュースだけだったのです。いくら高速鉄道事故直後だからといえ、政治局常務委員クラスの高官の北戴河での動静がほとんど報じられないのも珍しいと言えますし、私はこのような状況に非常に違和感を覚えました。

このことからも今年は、北戴河での秘密会議が復活したことが推測されます。ちょうど温家宝総理を除いた政治局常務委員が姿をくらましていた時期と、張徳江副総理が姿をくらましていた時期が一致することからも、会議の内容は高速鉄道事故を発端とする不手際をめぐる張徳江副総理の処分や高速鉄道事故の善後処理、世論対策などであったことは間違いないでしょう。

そのような中、私はニュースサイト「大紀元」で興味深い記事を発見しました。7月29日付の「大紀元」は「高速鉄道事故で車両を埋める指示を出した張本人は政治局のナンバー9である周永康中央政法委書記であり、後になって胡錦濤、温家宝の両首脳がこの命令を退けた」と報じました。

周永康書記といえば、中国における暴動などの治安維持や事故処理の総責任者であり、江沢民系の政治家とも言われています。

事故現場は、中共中央政治局や政府の指示なしには、車両を埋めるなどの軽率な行為をとることは絶対にないわけですから、突き詰めて考えてみれば、張徳江副総理の背後に周永康書記がいるという大紀元の指摘はあながちウソではないともいえます。また周永康書記が8月に入って初めて動静が確認された日(ネパールなどアジア5カ国の歴訪開始)が、張徳江副総理の動静が確認された日と全く同じというのも、大紀元の指摘に信憑性を与えています。ここからもおそらくは、周永康書記もその北戴河会議に参加していたと考えるのが自然でしょう。

どちらにせよ、政治局常務委員の中での対立の構図が高速鉄道事故で明らかになってしまったわけで、人命優先の事故処理を行う上で大きな問題が残されてしまったことになります。

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