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GDP年1%増 賃上げ、政策総動員で消費喚起を

緩やかな回復は続いているが、中身に不満が残る。

2016年10~12月期の実質国内総生産(GDP)速報値は前期比0.2%増、このペースが1年間続くと仮定した年率換算で1.0%増となった。輸出の増加や設備投資の回復が主導し、4四半期(1年)連続のプラス成長となったが、個人消費は小幅ながら4四半期ぶりのマイナスだった。

日本経済が輸出依存の構造から抜け出せない状況は変わっておらず、景気を本格的な回復軌道に乗せるには、企業業績の拡大を内需につなげなければならない。

当面の焦点は、春季労使交渉(春闘)である。

ここで決まる賃上げ額が、GDPの約6割を占める個人消費の動向を左右するからだ。春闘相場をリードする自動車大手各社の労組は15日、ベースアップ(ベア)に相当する賃金改善分として16年と同額の月額3000円を足並みそろえて要求した。いよいよ、労使交渉が本格化するが、物価上昇分を上回る賃上げが実現しなければ、消費に明るさは見えてこない。

17年度税制改正案には、公明党の主張が実り、賃上げした企業を優遇する所得拡大促進税制の拡充が盛り込まれた。社員1人当たりの給与を前年度比2%以上引き上げた企業の賃上げ総額を大企業は12%、中小企業は22%、それぞれ法人税額から控除する。

雇用契約が不安定な非正規社員はおしなべて収入が低い。そこで、17年度予算案には、非正規社員を正社員に転換した企業への助成金の増額や、賃金規定などの待遇改善に取り組む企業を支援する対策費も組み込まれた。

各企業は、こうした制度を活用して、積極的に賃上げしてもらいたい。

ただ、個人消費の対策を経済界だけに頼るわけにはいくまい。家計にのしかかる教育費の負担軽減は、消費拡大の追い風になる。国レベルでは、返済不要の給付型奨学金が17年度から先行実施される。東京都は私立高校の授業料の実質無償化を進めるが、各自治体でも子育て世代を応援する政策を充実させてほしい。

暮らしの視点に立った政策を総動員し、個人消費を喚起していきたい。

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