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これも宗教のなせる技? 清水富美加の電撃「出家」宣言が起こした波紋

宗教法人「幸福の科学」の活動に専念することを決意表明した女優・清水富美加に注目が集まっている。

BLOGOS編集部

清水は「出家」すると言い、彼女に代わって教団側の弁護士は2月末での現在の所属事務所「レプロエンタテインメント」との専属契約を解除する意思を通達したという。だが、その一方で今回のことが芸能界からの引退と思われることは否定しており、「千眼美子(せんげん・よしこ)の法名で再活動することをにおわせている。

 

「信教の自由」は認められた権利だが、人気女優の絡んだ問題だけに社会的反響は大きい。そもそも清水本人が「体調」を理由に全く出てこないことも波紋を広げている。現時点では、今回の一件が偶発的なものなのか、それとも意図したものなのかもハッキリしない。見方によっては、SNSで誘発的に起こす「炎上」と同じで、新興宗教が使う入信者拡大の「手段」とも思えてしまう。しかし、少なくとも今後は彼女が「幸福の科学」の〝広告塔〟になることだけは間違いない。

1991年にも「幸福の科学」は大騒動に

共同通信社

それにしても「幸福の科学」に限って言えば、同教団と芸能人との関わりで思い出すのは26年前の91年に起こった事件ーー歌手で女優の小川知子と直木賞作家だった景山民夫さん(故人)による「フライデー事件」だ。単なる一雑誌のトラブルだったが前代未聞の社会的事件に発展した。

改めて当時を振り返ってみた。

小川は恋多き女と言われた。その小川が一転〝女闘士〟として話題をさらったのが出版社「講談社」とのトラブルだった。トラブルというより〝戦闘〟という言葉の方が適切かもしれない。

事の発端は、講談社が発行する写真週刊誌「フライデー」。91年8月23、30日合併号の中の記事で「(「幸福の科学」の)大川隆法代表は商社にいる頃、ノイローゼ状態だった」と報じたことだ。この記事に反応、いや猛反発したのが小川と景山さんだった。

事件は、同誌が発売された直後に起こった。教団から講談社に抗議の電話やFAX攻勢が始まった(当時はサイバー攻撃というものなかった)。しかも、その抗議のターゲットは、講談社の関連会社だった夕刊紙「日刊ゲンダイ」にまで及んだ。

「エスカレートする猛攻撃は威力業務妨害罪などで教団を刑事告訴するまでに発展しました。ところが講談社への抗議行動は、静まるどころか、その後、景山さんや小川の登場につながっていったんです」(当時を知る芸能関係者)。

その結果、91年9月5日には教団を中心に「講談社=フライデー全国被害者の会」が結成された。で、その会の会長に選任されたのが景山さんで、副会長は小川だった。

 

作家だった景山さんと講談社とは当然、深い関わりがあったが、会長就任と同時に同社が発行していた「小説現代」に連載中だったコラムを休筆した他、同誌の新人賞選考委員も辞退するなど、講談社の仕事を全てキャンセル。それこそノロシを挙げて抗議行動の先頭に立った。

一方、小川も「フライデーはエデンの園の蛇」と叫んで抗議行動に参加。景山さんと共に「フライデーの即時廃刊」を呼びかけた。さらに小川は「私は(「フライデー」に)さまざまな中傷記事を書かれた。プライバシーを傷つけられ精神的、社会的に迫害された人もたくさんいる」などとも訴えていた。

さる弁護士は「抗議行動を続ける場合でも、それが意図的な嫌がらせだったら業務妨害罪として立件の対象に十分になり得る」と指摘。法律専門家の多くが小川の行動を危ぶんだ。しかし、小川は周囲からの心配をよそに、その行動は日を重ねるごとにエスカレートしていった。

「芸能界にいると、こういった中傷に慣れてしまう。どうして最初に中傷されたときに激怒しなかったのか、今は反省している」。

小川は「フライデー」に対して、そう宣戦布告すると「私は、この戦いに命をかけている。真理を追究しはじめて十数年が経つが、宗教というのは命がけのもの」と雄叫びをあげた。

もっとも自らの抗議行動について「あくまで女優を続けながら」と明言していたが、周辺からは「もっと立場をわきまえた行動をして欲しかった」の声もあった。当然「女優業がピンチに!」と報じるメディアもあったが、当の小川はあっけらかんだった。それどころか「講談社=フライデー全国被害者の会」として、同年9月15日には横浜アリーナで「宗教法人幸福の科学 第5回大川隆法主宰先生大講演会」と題した総決起集会まで開催した。

同集会には騒動勃発以来、初めて大川代表が公の場に姿を現し「希望の改革」と題して1時間にも及ぶ講演を行なったが、その内容は騒動を意識したものが殆どだったように記憶している。講演終了後は景山さんと、小川が壇上に立ち、改めて「フライデー」の即時廃刊と、同誌を発行する「講談社」の野間佐和子社長(当時)の退陣を呼びかけていた。

特に、景山さんは、抗議行動のことで作家の野坂昭如さんから痛烈な批判を浴びたことを意識した?のか「私自身を〝正義派ぶって…〟となじる人がいますが、我々は正義派ぶっているのではなく正義です!」とヒートアップ。小川と共に「体を張ってでも戦います!」と絶叫していた。

  

当然、小川の女優生命も岐路に立たされる事態になった。CM契約していた常盤薬品工業が、ドリンク剤のCMを打ち切った。「小川が絶叫する姿がワイドショーで放映されて以来、CMに起用している同社には視聴者からクレームが殺到する羽目になってしまった」(芸能関係者)。

 

ちなみに、絶叫抗議に批判が殺到していることについては「日本では宗教を隠す人が多い。宗教を差別的に見ているが、外国の友人からは『(騒動後に)知子ファンになった、どんどんやれ』と励まされた」と言い切り、女優としてのマイナス面についても「受け手の皆さんの問題。自分にそういう使命が与えられたんだと思っている。損得抜きでやっている」とし、行動については「指導霊の力」とした。

「講談社=フライデー全国被害者の会」は、その後、91年12月26日に東京ドームで行った「幸福の科学」のイベント「聖エルカンターレ祭」で解散、名称を「ハートエイド」に変更した。

小川は「発展的解消。今後は心の環境保護に力を注ぐ」と言っていた。

22歳の成人としての「社会的責任」

BLOGOS編集部

確かに、小川や景山さんの行動と今回の清水富美加の行動では全く論点が違う。とは言っても、どちらも「宗教(信教)のなせる技」と思えてならない。

ただ、清水は両親が「幸福の科学」の信者だったことから、子供のころから信仰があったそうだ。そういったことから考えると、今回のことは「洗脳」ではなく、彼女なりの「意志」であることは分かる。しかし、今回の行動で危惧されることは、今後予定されている映画公開(主演映画「暗黒女子」「笑う招き猫」「東京喰種トーキョーグール」)やプロモーション活動、さらにはテレビ出演などに支障を与えることだろう。これは単にプロダクションとのトラブルでは済まない。

もちろん人それぞれ考えはあるだろう。が、ここは「出家」や「信教の自由」などを語る以前に、彼女にも22歳の成人としての「社会的責任」を考慮すべきだと思う。特に、映画の場合は他の共演者、携わってきたスタッフなどを考えると影響が大き過ぎる。役に対して不満を言っているが「女優」として受けた以上は「今さら」とも言えなくもない。

今後は、精神的な修行を重ね、その後は人々の悩みを聞き救済活動を行うという。今回のように他人に迷惑をかけていて、果たして? 現状では法廷での争いに発展する可能性もあるだろうが、今回のような〝心の問題〟は解決しないはずだ。一事が万事である。彼女も、少なくともオピニオンリーダーの一人だったわけだから、ここは他人に事態の解決を委ねるのではなく、再度、冷静に考えたらいいのではないか?

それからでも遅くはないと思うのだが…。

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