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「消費税の増税分を社会保障費に」なんていうのは机上の空論。日本では"決算"が評価されないからその空論がまかり通ってしまう―「賢人論。」第32回(中編)上念司氏

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仕組みが変わることは国民が望まなければいけないし、政治家が変わろうとしなければダメ

みんなの介護 医療であれば厚生労働省の管轄ですよね。省内の改革が必要では?といった声もあるようです。

上念 省内で働いている人たちはお役人なので、決められたことをしっかりやることが仕事。やっぱり、政治家でなければ決められないですよね。財務省の話をすると、税率を上げた分だけ税収が上がるという経済モデルがおかしい。消費税率を上げると、税収がGDPより多くなるという不思議なモデルなんです。

みんなの介護 なぜ財務省でそのような経済モデルがまかり通ってしまうのでしょうか。

上念 法律でそういうふうに決まっているからです。彼らは公務員なので。予算編成上そうなっているから、そのモデルでやるしかないんです。まさに、大東亜戦争に敗北した大本営そのままですよ。“この作戦は絶対に失敗する”とわかっていても、もう少しやるしかないんです。

みんなの介護 失敗するとわかっているならば、早急に見直すべきなのでは?現に今、そういう転換期に来ていますし。

上念 省内が“やるしかない”という空気になっているんでしょうね。官僚に変わるようなことは期待できません。どうして彼らがそういうことをやっているかというと、現状の仕組みのまま永久にやる、というふうになっているからなのですよ。

これまで話してきたように、医療費が破綻するしかないという話になってしまうわけ。仕組みが変わることは国民が望まなければいけないし、政治家が変わろうとしなければダメですよ。

みんなの介護 消費税を8%にしたのも増税分を社会保障費に充てるためだったものの、先日、総報酬割が導入されることが決まりました。現役世代の負担もさらに増えます。

上念 だから、そんなもの社会保障費に回せるわけがないんですよ。なぜなら、机上の空論でやっているだけだからです。どれくらいのお金が入ってきたか、出ていったかというのは決算でわかることなんですが、日本ではその決算というものが評価されないんですよ。不思議ですね。

税率を上げた分だけ予算が作られるという仕組みがあって、官僚はそれに従う仕組みになっているんですよ。あの人たちは真面目だから、おそらく本人たちは財政を不安定にしようと思ってやっているわけではないと思います。なぜかというと、真面目な東大君たちが「ルールでそうなっているから」と。言ってしまえば、想像力の欠如したエリートたちですね。

でも、「その仕組みは使ってはダメ!」と政治の力でやれば、変わるんですよ。そうなれば日本の経済はちゃんと正常になるんですけれど、予算が税率を上げると増えるという不思議な仕組みをやっている限りは、常に「必要のない増税をする」というのが繰り返されるでしょうね。

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