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電力小売全面自由化、販売電力量は前年度比56.3%増 購入先やプランを変更した人の88.6%が「満足」

大規模工場などの大口消費者を対象に2003年3月から始まった電力の小売自由化は、2016年4月から一般家庭が使っている低圧区分も対象となり、完全に自由化された。これを受けて市場は拡大しており、富士経済が1月30日に発表した電力自由化市場の調査結果によると、2016年度の販売電力量は2015年度比56.3%増の628億7,000キロワット時と見込まれている。2020年度には2015年度の2.8倍の1,123億キロワット時に達すると予想されている。

 一方、出力が10万キロワット規模の大型火力発電所の建設計画が相次いで発表されており、2020年度の新電力の電源規模は、2015年度比60.4%増の1,544万7,000キロワットまで増大すると予想されている。2020年度以降も100万キロワット級の火力発電所の建設計画が相次いでいて、電力を安定的に供給する体制はさらに整っていきそうだ。

 このように電力の小売自由化市場が拡大する中、経済産業省は電力自由化が消費者に与える価値を分析するため、2016年9月6日から7日にかけてアンケート調査を実施した。調査対象は全国の消費者で、3万名の中からエリアなどをもとに1,000名を抽出して実施された。

 電気の購入先や料金プランの変更状況をみると、「いずれかを変更した」人は9.8%にとどまり、「比較検討をしたが変更していない」が24.5%で、残りの65.7%が「比較検討も変更もしていない」と回答した。電気の購入先を変更しない理由を複数回答で聞くと、「メリットがよくわからない」が44.0%で最も多く、「なんとなく不安」(37.3%)、「今まで通り慣れている会社のほうがよいから」(26.2%)が続いた。

 一方、電気の購入先と料金プランのいずれかを変更した人に満足度を聞くと、88.6%の人が「自分がほしいレベル以上」と感じていた。その理由を複数回答で聞いたところ、多い順に「月々の電気料金が安い」(56.0%)、「電力供給が安定している」(30.4%)、「分かりやすい使用料・請求金額の表示がされている」(20.3%)、「ホームページなどで電気の使用状況の確認が簡単にできる」(19.9%)となった。

 電力会社やプランを変更した人の割合は低いものの、満足度は高い。消費者の自由化に対する理解が進み、安定供給に対する不安が解消されれば、予想を上回るペースで市場が拡大する可能性もありそうだ。

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