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文部科学省の再就職の規制違反 嘆息と解体的出直しを

 

既にご存知の通り、文部科学省の職員の再就職に当たり、再就職等監視委員会の勧告を受け、国家公務員法違反事案が起こり、国民の不信と疑念を呼んでいます。

文部科学省は、国民に向けてお詫びのメッセージを発出しています。

http://www.mext.go.jp/a_menu/other/1381438.htm

文部科学大臣政務官を務め、文部科学行政に携わった一人として、文科省の職員が法律違反をしていたとは・・・という嘆息と、国民の信頼を取り戻すために、解体的出直しを図る必要があると思っています。

2月7日(火)終日、衆議院予算委員会において、集中審議が行われています。

それに先立って、前日の2月6日(月)に、「特定OBを介した再就職等あっせんの構造についてー現時点で把握できた事実等の整理」について、第一弾の調査結果が公表されました。その内容は次のようなものです。

●平成20年国家公務員法改正前までは、文科省が組織ぐるみで再就職をあっせん

平成20年12月31日第一次安倍政権が取り組んだ国家公務員法改正施行される前までは、国家公務員は離職後2年間、その離職前5年間に在職していた国の機関等と密接な関係にある営利企業へ就職する時は人事院の承認が必要とされていました。

この当時、文部科学省からは営利企業に再就職する職員が少なく、非営利法人である学校法人に再就職する者が中心であったことから、退職後2年を経ることなく学校法人等に再就職するためのあっせんを大臣官房人事課において、業務として行っていました。

再就職あっせん業務は、文科省の人事課の実務担当者が担い、省内では事務次官と人事課長、次官が科技系の場合は文部系の文部科学審議官と人事課長、省外では事務次官経験者と相談し、了解、合意を得つつ行っていたことが通例でした。

●平成21年改正後も、特定OBを介した文科省中枢の組織ぐるみの再就職あっせん

平成21年1月1日法改正後は、現職職員が再就職の関与ができなくなり、官民交流センターや民間人材あっせん機関が機能するかどうか、文科省の職員は民間企業の感覚に慣れていないことから、懸念することが多く、文科省のOBに再就職のあっせんを行ってもらうしかないとの状況でした。

そこで、複数のOBが再就職のあっせんを行っており、その中の一人が今回問題となった特定OBであり、徐々にこの特定OBの再就職のあっせんが拡大していきます。

今回の問題の大きな転機は、平成25年9月でした。特定OBによる再就職支援業務を独立させる計画がなされ、翌平成26年1月から計画が実行され、特定OBが代表を務める文教フォーラムが設立され、今日まできました。その特定OBや再就職あっせん業務を行う文教フォーラムの計画と設立に関しては、国家公務員法改正前と同様の文科省の省内外の次官や人事課、次官経験等の関係者が関わったことが明らかにされています。そして、その特定OBを、文科省の補助金や事業協力を受ける、文科省の他のOBが代々組織の中心を占める団体が支援している文科省の現職やOBの組織ぐるみの構造が明らかになりました。

●今後の問題は、利害関係の有無

以上、今回の第一弾の調査結果によって、再就職あっせんという国家公務員法違反は文科省の組織ぐるみであったことが明らかです。平成25年秋以降の事務次官や歴代人事課長、人事実務担当者の責任は重大です。既に、一部処分はなされていますが、追加処分は不可避です。

今後の問題は、文科省と学校等との利害関係があったかどうかです。その点は、今回の調査結果では明らかになっておらず、引続き調査結果を待ちたいと思います。

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