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給費制論議、大詰めへ

法曹の卵である司法修習生には戦後以来、国費で給与が支給されてきた。しかし2004年、与党自民党、野党民主党などの賛成により、裁判所法が改正され、2010年度から給費制を廃止し、返済義務を課す貸与制への移行が決まった。ところが、2010年、日弁連などの反対により、改正裁判所法の施行が1年延期された。その1年が経過し、このまま行けば、11月から、貸与制が施行される。とはいえ返済は5年後。

いま、給費制論議は、大詰めを迎えている。日弁連幹部は、「法曹養成フォーラム」では、両論併記とした上、宇都宮会長得意の市民運動と、国会議員の説得工作で、給費制復活に持ち込む作戦だったようだが、フォーラムでは両論併記どころか孤立無援となり、貸与制移行を前提とするとりまとめがなされてしまった。民主党、公明党議員への説得工作はそれなりに行われ、民主党の法務部門会議では貸与制移行への異論も多かったようだが、その後の政調幹部会には、給費制問題に無関心の前原誠司政調会長、給費制復活反対の仙谷由人代行、そして、絶対反対の桜井充代理(前財務副大臣)が控えている。給費制復活は風前の灯火だ。

おそらく、今、日弁連執行部には、「名誉ある撤退」の選択肢が提示されていることと思う。その一つは、報道にもあるとおり、「貸与制は暫定的」との文言を入れる案だ。だが、普通に見て、この文言は空手形だ。これを呑めば、宇都宮会長は、「あからさまな嘘にだまされた」と評されるリスクを負う。

もうひとつは、おそらく、何らかの条件を充たした場合は給費制を復活させる、と合意する案だ。どういう条件かは分からないが、給費制廃止の根拠が財政問題にあることからすれば、想像は可能だろう。だが問題なのは、その条件が成就するまでの間、暫定的に給費制にするのか、貸与制にするのかである。前者を桜井充代理が呑むことは、絶対にないと予想する。そうすると、現実的には、「貸与制は暫定的」案と変わらなくなる。

宇都宮執行部には、もちろん、もう一つの選択肢がある。それは、一切妥協しないことだ。貸与制が施行されても、返済期限が到来するまで5年ある。捲土重来を期して玉砕を覚悟するのである。

私は、宇都宮会長は最後の選択肢を取るのではないかと思う。そして、最後の選択肢を取ったが給費制が復活しなかった場合、5年後の「勝利」に向けた道筋をつけることは、会長の政治責任として残ることになる。つまり、最後の選択肢を取ることと、次期日弁連会長選に立候補することは、ワンセットということだ。

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