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【自治体ランキング】生活保護費「10年で5倍」「予算の1/4」という不都合な真実

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世帯当たりの生活保護費負担が最も高いのは?

図表:自治体別世帯当たり生活保護費負担額ランキングWorst20(2014)

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こうした行政ベースの数字は、比較で多い少ないは分かっても、市民の皆さんからすると実感として分かり難い。

そこで、自治体ごとの生活保護費の総額を世帯数で割り、1世帯当たりの生活保護費の負担を見てみることにする。

最も高かったのは嘉麻市(福岡県)で、1世帯で年間23万5,320円も負担していることが分かった。

こうして各家庭で、毎年毎年負担している額だと思うと実感が湧いてくる。実際に、生活保護の方を支えるために、各世帯が負担する額として年間23万円というのはどう映るだろうか。

次いで2位が、田川市(福岡県)22万9,551円、3位が大阪市(大阪府)22万5,997円、4位が奄美市(鹿児島県)22万344円、5位が台東区(東京都)20万9,619円、6位が門真市(大阪府)19万5,383円、7位の室戸市(高知県)18万6,869円、8位が飯塚市(福岡県)18万3,456円、9位が歌志内市(北海道)17万5,079円、10位が東大阪市(大阪府)16万4,233円、11位が釧路市(北海道)16万3,810円、12位が守口市(大阪府)16万2,592円、13位が宮若市(福岡県)15万8,295円、14位が函館市(北海道)15万7,038円、15位が足立区(東京都)15万5,721円、16位が尼崎市(兵庫県)15万3,806円、17位が那覇市(沖縄県)15万2,025円、18位が沖縄市(沖縄県)14万5,198円、19位が大牟田市(福岡県)14万4,197円、20位が三笠市(北海道)14万3,531円と並んでいる。

上位20自治体を都道府県別に見ると、福岡県が5市、大阪府と北海道が4市、東京都と沖縄県が2市区、鹿児島県、高知県、兵庫県が1市となった。

世帯当たりの負担が少ない自治体は東海・北陸に集中

図表:自治体別世帯当たり生活保護費負担額ランキングBest20(2014)

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ここまで生活保護費の多い、もしくは負担の大きい自治体を見てきた。では逆に、負担の小さい自治体についても紹介しておこう。

世帯当たりの生活保護費負担額が最も安かったのは南砺市(富山県)で、1世帯当たりわずか7,292円だった。

最も高かった嘉麻市の23万5,320円と比較すると、嘉麻市の市民の方々は南砺市よりも1世帯当たりで32倍以上も負担していることになる。

自治体によって異なるのは当り前だが、そうはいっても、あまりにも差が大きいようにも思う。

負担額の安い自治体についてもいくつか紹介すると、2位が日進市(愛知県)7,480円、3位が射水市(富山県)7,882円、4位が恵那市(岐阜県)10,259円、5位が裾野市(静岡県)8,168円、6位が菊川市(静岡県)9,019円、7位が鯖江市(福井県)9,516円、8位が砺波市(富山県)9,560円、9位が瑞浪市(岐阜県)10,146円、10位が飛騨市(岐阜県)10,148円と、東海地方と北陸地方に集中していることも見えてきた。

神奈川県の受給世帯当たりの生活保護費は1,155万円?

図表:都道府県別受給世帯当たり生活保護費

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ここまでは基礎自治体である市区の生活保護費について書いてきたが、読者の視点に立てば、「生活保護受給世帯はどれだけいるのか」、「実際、受給世帯当たりどれくらいの費用がかかっているのか」ということに関心が行くのではないかと思う。

そこで、厚労省が公開しているデータが都道府県ごとだったので、都道府県別の受給世帯数で、各都道府県内の市区の生活保護費の合計額を割った、都道府県別「受給世帯当たり生活保護費」を出してみた。

市区の生活保護費の合計額でいえば、最も多かったのは東京都の6,045億円。次いで大阪府の5,896億円、神奈川県の2,903億円・・・となるのだが、人口数によってその順番は少し変わる。

受給世帯当たりの生活保護費が最も高かったのは、神奈川県の年間1,154万7,005円となった。

もちろんこれは受給額ではない。生活保護にかかる行政計費も含まれるので、この中には市役所の担当職員の給与等も含まれる。

今回のデータの場合、市区のみが対象のため、町村のデータは含まれない。にもかかわらず、受給世帯数は町村も含めたものだ。

ただ、そうはいっても生活保護世帯1世帯に年間1,154万円もかかっているという現実を皆さんはどう感じるだろうか。

この仕組みを維持するために先述の負担を市民たちは負っている。本当にこの仕組みが今後も維持し続けられるのかについても考えていく必要がある。

ちなみに受給世帯当たり生活保護費が神奈川県に次いで高かったのは兵庫県で1,153万7,729円。

以降、岡山県1,092万7,650円、大阪府1,052万7,074円、京都府1,027万758円、広島県862万6,387円、愛知県816万5,408円、熊本県574万4,174円、宮城県558万8,423円、北海道532万6,095円となっている。

自治体の意識改革や法整備を考えるべき

冒頭の話に戻るが、生活保護費の額だけを見ても、小田原市で2倍になっていることから分かるように、生活保護の自治体負担はこの10年の間に極端に増えている。

その要因について簡単に背景を考えていくと、一つには経済状況がある、GDPが急激に上がる成長段階を終え、自治体現場における経済状況も悪化しているというのが現状である。

それ以上に大きな要因になっているのが高齢化の問題だ。

高齢者の場合、年金だけで生活できなくなると、この生活保護に流れてくる構造になっている。

詳細についてはまた別の機会に書こうと思うが、こうした大きな要因の中で、生活保護は社会保障の一つとして大きく増大化していく状況にある。

これをどうするのかが最も大きな問題なのだが、国政においても解決策があまりなく、むしろ触れてはいけない「パンドラの箱」になっている。そのため生活保護の問題は一向に解決されない。

年金問題を中心とした税と社会保障改革に関しても、年金について支給年齢引き上げや支給額の引き下げ等の対応を行ったとしても、年金額よりも生活保護費の方が高い構造から、この改革によって生活できなくなった人たちが一斉に生活保護に流れてくる構造になっている。年金改革を行う際には、この生活保護改革を同時に行わなければ、底の抜けた桶で水を汲むのと同じ状況になってしまう。

こうした意味でも生活保護改革は喫緊の課題であると言える。

ただ一方で、自治体現場では「国が変えてくれない」と文句を言っても、逼迫した状況から逃れられるわけではない。

市民の要求が現場を苦しめる悪循環

自治体現場に合わせて追い打ちをかけたのが、「職員定数削減」など住民や社会からの行政改革要求だ。

肥大化した自治体業務や適性人員の観点から見直しを図るべく、業務改善や行政改革はどんどん進めればいいと思う。

しかし、こうした行政改革のしわ寄せは、良い悪いは別にして、福祉現場にきている状況があるように感じる。

住民としても「良かれ」と思っての行政バッシングだろうが、こうした批判がもとで行政の仕事をオーバーワークにつなげている部分があることも考えなければならない。

生活保護部署においては、もう一つ大きな重荷になっているのが、「不正受給」の問題だ。

生活保護については、様々な噂が絶えない。

生活保護者の場合、家賃の取りっぱぐれがないため、むしろリフォーム費用をかけるよりもそのままの物件を生活保護者に貸そうという不動産会社が、市役所の目の前に店舗を構えて、「生活保護者歓迎」と看板を出す。

同様に、医療費についても、病院においては医療費の未払いは経営にとって大きな課題になる。ところが生活保護者の場合、医療費が無料になる代わりに行政が税金から支払うことになるので、医療機関からすればむしろ医療費の取りっぱぐれがない。

そのため、生活保護者が頻繁に病院に通うようになる、薬を多めに出す、さらには生活保護者がその薬を転売する等という状況になって、病院側も生活保護者もwin-winになっている。などという噂がまことしやかに囁かれている。

生活保護者がベンツやBMWに乗っている、子どもは私立学校に通い、家族で海外旅行にも行ってる・・・等々、私が耳にしただけでも怪しげな噂は絶えない。

当然、こうした噂を聞いた市民は「不正受給を突き止めろ」と指摘する。

しかし、実際には職員の調査権限はほぼ皆無であり、担当職員は、真面目であればあるほど、市民の要求と実際にできることの狭間で苦しみ、また現場では、生活保護が支給されるされないは、まさに生きるか死ぬかの分かれ道でもあり、本当に壮絶な現場を日々体験することになる。

生活保護担当といえば一昔前の役所では、ある意味3K部署であり、人気がなく、役所によっては窓際部署のように扱っている所もあった。

しかし、現在では、2倍3倍のペースで仕事が増えながら、人員はほとんど変わらないという状況にある。ある種の専門性を持たなければ仕事にならないケースワーカーたちが、日中、受給者の自宅を回り、17時に戻って、それからデスクワークをこなし、家庭によってはさらに夜間に訪問して対応するという、公務員の勤務規定からは考えられないような実態で回しているところがあったりもする。

役所の中では、花形部署と言われる財政や企画、人事や総務といった部署を渡り歩いた人たちが出世していく傾向にある。

各自治体は、今一度、福祉現場の実態をしっかりと認識し、「部署ごとの問題解決」という段階から1段フェーズを上げ、全庁的に解決しなければならない課題だと認識して、すみやかに対応していく必要があるのではないか。

道路や開発についての国会への陳情もいいが、むしろこうした自治体現場の抱える「闇」とも言える問題解決を、地方から国に要求していく必要があるのではないだろうか。

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