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次のメディアはやっぱり「紙」だ!?

新聞や雑誌がiPhoneやiPadなどの携帯端末で読む時代が来ようとしてるのに本気かよ?って言われそうですが、IT業界の巨人の一つヒューレット・パッカード社(HP)は本気でそう考えているようです

これはHPが米国有数の出版社Conde-Nast社と組んで「秋の終りごろ」に「米国北西部」で試験的に始めるOn-Demand Contentというプログラムで、早い話が、Conde-Nast社の有力雑誌の面白そうな記事を契約者宅のプリンターからプリントアウトします、ってことです。HPの先のプレスリリースではそれを< digital-to-print service>と称しています。対象になる雑誌は7誌で、その中にはなんとデジタル時代を切り開いてきたWIRED誌も含まれるとか。で、送られてくるコンテンツ代は無料です。

どういう仕掛けをするのか分かりませんが、勿論、使うプリンターはHPのものに限られます。となると、契約者はプリンターのインク代が大いに気になります。契約者宅には雑誌のすべてのコンテンツが送られて来るのでなく、契約者自身が欲しいコンテンツを細かく指定できるようですが、当然、従来より相当にインクを沢山消費しそうですから。

そこでHPでは<HP Instant Ink>というプログラムも同時に始めるそうです。これは必要に応じてHPの純正インクカートリッジを家庭やオフィスに送りますというもので、製品によりますが月6ドルから11ドル(送料込み)の定額制で、年間50%以上の節約になるとか。

スマートフォンやタプレットの時代が来ても、電話は固定電話だけでいいという人もいれば、絶対に新聞は紙でなければという人はなくならないでしょう。事実、1996年に産経新聞が始めたE-Newsという電子新聞、これはフジテレビの電波の隙間を使って記事を専用端末に送るという当時としては画期的なものでしたが、あえなく失敗しましたし、2009年に「毎日新聞がAQUOSから読める」と謳った「毎日新聞×DoTV」も、その後の報道がないことを見ると人気が出たとは思えません。

つまり、「やっぱり紙で記事を読みたいよね」、という少なからぬ層に商機を求め、自社プリンターを売り込もうというわけですね。しかもコンテンツはタダで、インクも安く手に入るなら、HPプリンターへの買い替えをひとつ考えて見ようって人は少なくないかもしれない、と。

ただし、気がかりなニュースもありました。先月下旬、ウォールストリート・ジャーナルは、大手出版社ハーパーコリンズが5000タイトルの文庫本を客の注文に応じて書店で印刷するサービスを始めると伝えましたが、数分で印刷して本にするマシンのExpresso Book Machine、2009年末までに500台以上の普及が見込まれていたのに、実際は23台止まりだとも報じました。


やっぱり、本や雑誌、新聞などのプリントメディア大好き派には”ホンモノ”感が大事ということもあるのかもしれません。その意味で、HPの挑戦、さあどうなるか興味津々です。

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