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西アフリカ・ガンビアの「独裁者」はなぜ退陣したか:周辺国による介入の条件

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「民主主義の勝利」?

1月21日、西アフリカの小国ガンビアのジャメ大統領は、赤道ギニアに亡命しました。26日、入れ替わりにバロウ新大統領がセネガルから帰国。支持者から熱狂的な歓迎を受けました

ジャメ氏は1994年のクーデタで政治の実権を握って以来、22年に渡ってガンビアを支配してきました。しかし、昨年12月の大統領選挙でバロウ氏に敗北。当初、ジャメ氏は敗北を受け入れる立場を示していたのですが、後に「選挙結果は無効」と主張し、大統領の座に居座り続ける方針に転じたのです。

大統領の座をジャメ氏からバロウ氏に実質的に引き渡すうえで、最も重要な働きをしたのは、西アフリカの周辺国でした。西アフリカ諸国が加盟する地域機構、西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)はジャメ氏に権力移譲を迫り、実際にセネガル、ナイジェリア、ガーナ、マリ、トーゴの部隊がガンビア国境に展開。軍事介入も辞さない姿勢をみせました

ECOWASの方針を国連、アフリカ連合(AU)、EUなども支持。当初、ジャメ氏は「いかなる外国の介入も拒む」と強気の姿勢をみせていましたが、大きな兵力差を前にガンビア軍の司令官はECOWAS部隊との戦闘を拒絶。この背景のもと、モーリタニアやギニアからの説得に応じる形で、ジャメ氏はしぶしぶ権力を手放したのです。

今回の危機の顛末に関しては、欧米メディアだけでなく、アフリカのメディアでも「独裁者に対する民主主義の勝利」といった論調で伝えられることが珍しくありません。アフリカでも、冷戦後の1990年代以降、民主的な政治体制の国は増えています。少なくとも自由かつ公正な手順で行われたなら、全ての参加者がいかなる結果をも受け入れることで、選挙は成り立ちます。自ら最高責任者でありながら「選挙管理委員会の不手際」を理由に選挙結果の無効を主張したことが、周辺国にとってジャメ氏を半ば強制的に排除することを正当化させたのであり、その意味で「民主主義の勝利」と言ってもよいかもしれません

ただし、西アフリカ諸国はジャメ氏が民主的な手続きを無視しようとしたことだけをもって、介入したわけではありません。また、アフリカにはジャメ氏と同様「独裁者」と目される最高責任者が数多くいますが、ガンビアで生まれた周辺国による介入劇が、他の国でも発生するとは限りません。つまり、民主主義という原理が、国家主権を常に超越するわけではありません。そこには、ガンビアおよび西アフリカに特有の事情があったといえます。

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