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  • 階猛

官僚の「20世紀枠」は不要-文科省天下り問題

27日、春の選抜高校野球大会の出場32校が決まりました。岩手県からは大会史上初めて2校が選ばれました。盛岡大付属高校と不来方高校です。本当におめでとうございます。とくに不来方高校は、部員わずか10名で秋季県大会に準優勝して東北大会に出場。そこでも他県の強豪校と接戦を演じ、「21世紀枠」での初出場という快挙です。

21世紀枠は、「技能だけでなく高校野球の模範的な姿を実践している学校」を選ぶものです。不来方高校は、少数部員という困難な環境を克服したことが高く評価されました。東日本大震災を乗り越えた昨年の釜石高校もそうですが、21世紀枠は、選手だけでなく見る者にも勇気と希望を与える良い選出方法です。これからも続けて欲しいと思います。

その高校野球を主催する高野連を監督するのが文部科学省です。この官庁で、あってはならないことが起こりました。通常国会開会日の20日、違法な「天下り」が発覚し、これに関わった事務次官が辞任する事態になったのです。天下りとは、官僚が、自ら所属していた中央官庁の所管する外郭団体や関連企業などに再就職することを指します。

天下りは、20世紀までは当たり前に行われていました。しかし、これによって官民の間に癒着が生じ、税金の無駄遣いの温床、受け入れ側の職員の意欲低下などの弊害が生じました。21世紀になって、天下りとその弊害を防止しようという気運が高まり、現在の国家公務員法では、①官庁が官僚の再就職の便宜を図ること、②官僚が在職中に職務と利害関係のある企業や団体に再就職するための活動をすること、などが禁じられています。

今回、文科省の前の高等教育局長が在職中に早稲田大学への再就職活動を行い、文科省の人事課が履歴書の送付や面談日程の調整をして再就職の便宜を図ったことが発覚しました。明らかな法律違反です。しかも、違反した事実を隠ぺいするため、文科省が早稲田大学と口裏合わせをしていたことも分かりました。

加えて、元局長は大学院の教授として迎えられましたが、担当する授業のテーマを見る限り、とても大学院レベルとは思えません。実力で教授になった方々からすると到底納得できないでしょう。これ以外にも、文科省では天下りに関する違法行為が多数あります。文科省は真相解明のために調査班を立ち上げましたが、関係者は、調査中であることを口実に、国会でまともな答弁をしていません。

技能もなく模範ともならない官僚を優遇する「20世紀枠」は不要です。そして、法律違反と隠ぺい工作をした文科省には、重大な責任があります。3月の選抜高校野球開会式では、文科大臣が挨拶をします。灰色の「20世紀枠」を見過ごしてきた大臣が、「21世紀枠」を含む晴れの32校の選手らに対し、フェアプレー精神を語るなど言語道断です。

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