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危機的な状況になりつつある日本の財政

 先日、内閣府から「中長期の経済財政に関する試算」が公表されました。高い成長を織り込んだ経済再生ケースでも、2020年度の基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字化は難しいという試算となっています。これは大きな衝撃をもって受け止められ、様々な報道もされたところです。

 そもそも、この試算自体がバブル期の過去最高の税収(60.1兆円)に近い税収を達成している現状(平成27年度で56.4兆円)からさらに税収が伸びて、経済成長が1%台に留まるというベースラインケースですら70兆円近くに達するというもので、楽観的に過ぎるとの指摘をされているものです。

 そのような楽観的といわれる試算ですら、非常に厳しい結果を示していることを我々は深刻に受け止めねばなりません。

 これまで、増税をせずに自然税収増だけで予算の増加を吸収できるという、極めて恵まれた状況に日本はありました。それは、第一に繰越欠損金の仕組みの中で、法人税収が大きく伸びる時期にあたっていたこと、第二に世界的な低金利の状況下で、日本の国債の借り入れ利回りが極めて低く抑えられていたこと、この二つのボーナスがあったからかろうじて成り立っていました。そのボーナスがどちらもなくなりつつあるのが現在の状況です。

 こうした現実を現実としてしっかりと受け止めて、我々は、医療費をはじめ、少子高齢化が進む我が国の中で、社会保障の予算など、メリハリをより効かせて、予算の膨張を防ぐようなメカニズムを本気で考えねばなりません。

 リーマンショックのような急激な需要の縮小が世界的に起これば、政府が財政措置を通じて緊急に需要創出せねばならない状況も発生します。そうした事態に備えるためにも、今から財政についても規律を持った改革を行っていくことが重要です。

 問題の先送りをするには危険すぎる水準に近付きつつある、この現状認識の下で、メリハリのある財政運営をすることが、将来の負担を最小限に抑制する唯一の手段です。

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