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相続は「想続」。ハートを込めた遺言書が相続トラブルを回避する。

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「ハートを込めた遺言書」が相続トラブルを回避する

佐山氏によると、相続のトラブルが起きるのは「死後に遺産分割の話し合いをするから」だという。佐山氏はこれまで担当した事例を引きながら、「遺産分割の話し合いで揉める原因の一つは、応援団が出てくるからだ」と解説した。

「どんなに仲がいい兄弟であっても、『あなたも相続人なんだから、ちゃんと主張しなさい』という応援団が出てくる。そうすると本人も『そうか、おれ、相続人だよな。頑張るぞ』という気持ちになってしまう。
相続は人を変えます。遺言書を書かないって、怖いんです。そうした事態を招かないためにも、話し合わなくてもいいようにあらかじめ決めておいてあげる。遺言書が『相続トラブル病の予防注射』と言われるのはそのためです」(佐山氏)

それでは実際に遺言書を書く際には、どんなことに気をつければいいのだろうか?

佐山氏は「もめる遺言書」の例として、「財産のことしか書いていない遺言書」を挙げ、「遺言書には本文だけでなく、ぜひ『付言』を書いてほしい」と訴えた。

「付言とはハートです。『なぜ財産をこのように分けるのか』『相続人との昔の思い出』『相続する財産のストーリー(この土地は先祖代々受け継いできたものである、預金は汗水流して貯めてきたお金である、など、相続する人が散財しないように重しを乗せる)』などを書くことで、トラブルの多くは防げます。また、残された人たちへの『感謝のメッセージ』も書いてほしい。こうした付言をつけることで、残された人たちにも生きる勇気を与えられるのです」(佐山氏)

参加者たちは佐山氏の解説に続いて、会場で配布された「佐山流遺言練習フォーマット」をもとに遺言書の書き方を練習していった。大きく書かれた「ゆ」の右側に「誰に何を贈るか」を具体的に書きながら、左側には付言で家族に対する思いもあわせて書く練習だ。

撮影:畠山理仁
【写真】「佐山流遺言練習フォーマット」

佐山氏からは、
「何回も繰り返していくとだんだん具体的に法的効力を持つものを書けるようになってきます。最初からきちっと書けるわけがありません。何回も繰り返していくイメージでいてください」
とのアドバイスがあった。

そして講演の最後を、佐山氏はこう締めくくった。

「相続は、『想続』と覚えてほしい。間違っても、遺言書を冷たい財産の報告書にしないでください。遺言書は想いをつなげるものです。心をこめた思いを綴ってあれば、遺言書に不満のある人でも必ず説得できます」

まずは書いてみること。それが自分自身だけでなく、回りの人たちにも笑顔をもたらす第一歩になるだろう。そんなことを感じた「遺言の日」だった。

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