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- 2011年09月21日 01:31
チャーチルの引用文
ブログ記事 さようなら大江健三郎 で、大江健三郎氏の原発廃止要求行動に対しての反論を読んだ。彼の行動の是非については、自分も思うところがあるし、記事のある部分は理解できる。自分も過去のブログ 幾らノーベル賞作家でも で、彼のあまりに極端な中国寄りの物言いに異論を書いたことがある。
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気になったのは、記事の末尾に引用されている 「25歳のとき左翼にならない人には心がない。35歳になってもまだ左翼のままの人には頭がない。――ウィンストン・チャーチル」の部分で、正直、まだこれが一人歩きしているのかという驚きがあった。
これはずいぶん昔目にした一文で、恐らくこれはチャーチル Winston Churchillが言ったとされる
「"If you are not a liberal at 20, you have no heart. If you are not a conservative at 40, you have no brain." That's what former British Prime Minister Winston Churchill once said, anyway. He was right.」
からの引用と思われるが、オリジナルは誰が訳しても「20才までに自由主義者でなければ情熱が足りない。40才でも保守主義者でなければ知能が足りない。」という訳にしかならず、年齢も違えば、どこにも左翼という表現は無い。
社会の貧富や階級差を非難する左翼(left-wing)と、人間の自由、平等を唱える 自由主義者(a liberal、Liberalism)とは微妙に意味が違い、さらに日本語で引用されているのは年齢が全く違う。しかし、この引用文を末尾に置いた意味は理解できるので、何が言いたいかというと、
実は、更にこれのオリジナルがあるといわれ
「The phrase originated with Francois Guisot (1787-1874):「20才で共和主義者でなければ、情熱が足りない。30才でもそうなら、頭が足りない。 "Not to be a republican at twenty is proof of want of heart; to be one at thirty is proof of want of head."」と
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フランスの政治家 フランソワ・ギゾー(Francois-Pierre-Guillaume Guizot:1787-1874:上)が言ったのがオリジナルだと言う説があり、ここでは、チャーチルが言ったとされる自由主義者が共和主義者となっている。もしかしたらチャーチルも、内容を変えて、引用していたことになる。
この話はこれで終わらない。ギゾーの内容を変えて引用したと思われる人が、チャーチルの前に居るからだ。
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フランスの首相、政治家ジョージ・クレマンソーFrench Premier Georges Clemenceau (1841-1929:上)で
「20才で社会主義者でなければ、情熱が足りない。30才でもそうならば、頭が足りない。: “Not to be a socialist at twenty is proof of want of heart; to be one at thirty is proof of want of head.” 」
と言ったと書き残されている。英文参照記事 さて、チャーチルはどちらから引用したのか?
ここまで来ると、もう誰のがオリジナルなのか苦笑するしかないが、別にこの引用文の変更が良いとも悪いとも言うつもりは無く、多少は許されるとさえ思うが、言ったとされる文章がチャーチルの名前つきで、その翻訳文章自体が違っていたとしたら、やはり間違いと言うしかない。はっきり分かったのは、このチャーチルの名言について、欧州でもいろんな引用説があると言う事実だ。果たして、チャーチルの原文とも、どの方のオリジナルとも違うチャーチルの文章を日本語で紹介したのは一体誰なのか?(ただし可能性として、チャーチルがどこかで最初の日本文のような発言をしたというなら話は別だが、自分は探しきれなかった)
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気になったのは、記事の末尾に引用されている 「25歳のとき左翼にならない人には心がない。35歳になってもまだ左翼のままの人には頭がない。――ウィンストン・チャーチル」の部分で、正直、まだこれが一人歩きしているのかという驚きがあった。
これはずいぶん昔目にした一文で、恐らくこれはチャーチル Winston Churchillが言ったとされる
「"If you are not a liberal at 20, you have no heart. If you are not a conservative at 40, you have no brain." That's what former British Prime Minister Winston Churchill once said, anyway. He was right.」
からの引用と思われるが、オリジナルは誰が訳しても「20才までに自由主義者でなければ情熱が足りない。40才でも保守主義者でなければ知能が足りない。」という訳にしかならず、年齢も違えば、どこにも左翼という表現は無い。
社会の貧富や階級差を非難する左翼(left-wing)と、人間の自由、平等を唱える 自由主義者(a liberal、Liberalism)とは微妙に意味が違い、さらに日本語で引用されているのは年齢が全く違う。しかし、この引用文を末尾に置いた意味は理解できるので、何が言いたいかというと、
実は、更にこれのオリジナルがあるといわれ
「The phrase originated with Francois Guisot (1787-1874):「20才で共和主義者でなければ、情熱が足りない。30才でもそうなら、頭が足りない。 "Not to be a republican at twenty is proof of want of heart; to be one at thirty is proof of want of head."」と
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フランスの政治家 フランソワ・ギゾー(Francois-Pierre-Guillaume Guizot:1787-1874:上)が言ったのがオリジナルだと言う説があり、ここでは、チャーチルが言ったとされる自由主義者が共和主義者となっている。もしかしたらチャーチルも、内容を変えて、引用していたことになる。
この話はこれで終わらない。ギゾーの内容を変えて引用したと思われる人が、チャーチルの前に居るからだ。
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フランスの首相、政治家ジョージ・クレマンソーFrench Premier Georges Clemenceau (1841-1929:上)で
「20才で社会主義者でなければ、情熱が足りない。30才でもそうならば、頭が足りない。: “Not to be a socialist at twenty is proof of want of heart; to be one at thirty is proof of want of head.” 」
と言ったと書き残されている。英文参照記事 さて、チャーチルはどちらから引用したのか?
ここまで来ると、もう誰のがオリジナルなのか苦笑するしかないが、別にこの引用文の変更が良いとも悪いとも言うつもりは無く、多少は許されるとさえ思うが、言ったとされる文章がチャーチルの名前つきで、その翻訳文章自体が違っていたとしたら、やはり間違いと言うしかない。はっきり分かったのは、このチャーチルの名言について、欧州でもいろんな引用説があると言う事実だ。果たして、チャーチルの原文とも、どの方のオリジナルとも違うチャーチルの文章を日本語で紹介したのは一体誰なのか?(ただし可能性として、チャーチルがどこかで最初の日本文のような発言をしたというなら話は別だが、自分は探しきれなかった)
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