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体験に偶然性をブチ込む TSUTAYAの「NOTジャケ借り」が面白いワケ

TSUTAYAが昨年10月から始めている「NOTジャケ借り」というレンタル企画がめちゃくちゃ面白い。

「面白さ絶対保証の商品群からパッケージに書かれたレビューの一部分だけを手掛かりに映画を選ぶという斬新なレンタルスタイル。(略)今見たいと思う映画を、心の襞に問いかけながら『直感』でお選び下さい」

ケースの表裏できっちり吟味し、納得した上でレジに持っていく――そんな当たり前を根底から揺るがしています。闇鍋みたいです。

各作品のケースに記されているのは、おそろしくアバウトな一言説明のみ。それだけで、利用者は観たいかどうかを決めてレジにいくという仕組みです。一応、セレクトされた約60作品はレビューサイトで一定以上の評価を得たもののようで、大ハズレはないよう。こうした試みをする背景には、利用率が上がらない古い名作も借りてほしいとの思いがあるとのこと。


いやー、面白い。今は世田谷にある1店舗のみらしいですが、ぜひとも最寄りの店でもやってほしい。

何が面白いってこの「NOTジャケ借り」、VOD(ビデオ・オン・デマンド、視聴者が観たい時に様々な映像コンテンツを視聴することができるサービス)が普及するいまの流れに逆行していますよね。

今の時代、ぼくらは好きなときに好きな作品を好きなスタイルで見ることに慣れてしまいました。VODが便利なのはもはや否定できない事実です。

けれど一方で、どこかその便利さに「窮屈さ」みたいなものを感じませんか? 「いつでもどこでもどれでもお好きなものを観ていいです!」ってすべての選択を丸投げされているわけですが、あまりに選択肢が広すぎるとこんどはその中から「この1本!」と選ぶストレスが出てくる。結果、どれにも手がつけられなくなっちゃうんです。

じゃあ観なくていいじゃんって話ですが、映画は観たいんですよ。でも選ぶのがしんどいんです。

ところがこの「NOTジャケ借り」は、利用者が偶然に身を委ね、「いいからコレ観ろ!」と強制されるわけです。言葉はおかしいですが「不自由であることの自由さ」って絶対あると思うのですね。「NOTジャケ借り」はまさにその「不自由であることの自由」「強制されることの自由」を味わう企画です。

一応、レジでタイトルは教えてもらえるそうで、観たことのある作品をうっかり借りてしまうことは防げます。でも、ぼくは別にダブってもいいじゃないのって思いますよね。いい映画は何度観たっていいんです。それも含めて楽しみましょうよ、と思います。

もよりのTSUTAYAは旗艦店っぽいので、もしかしたらやってくれるかもしれません。それまで楽しみに待っていたいと思います。

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