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エジプトの薬危機

エジプトでは、通貨のフロート等から諸物価が値上がりしたり、必需品が姿を消すという、深刻な状況が生じていますが、この問題をの直撃を受けたのは医薬品の分野のようです。

12日付のal arabiaya netは、エジプト国民は医薬品の価格が15〜26%引き上げられると予想していると報じるとともに、重要な薬品が薬局の棚から姿を消し、闇市場では手に入るが、薬局での購入価格の100%以上の価格をつけているとして、特に慢性病患者や所得の低い階層にしわ寄せが行っていると報じていました。

しかるに16日付の同ネットは、その日12日に保険大臣が声明を発して、薬品の製造業者及び輸入者と合意に達したが、その薬品の種類は3000に上ると発表したよし。

さらに保健省内の薬局組合に対して、474の製造者からの新価格が提示された由。

これに対して、薬局組合はこの通知を不満として、部分的ストライキを15日から1週間行うこととしていたが、当局が彼らの不満にこたえないのであれば(何が具体的不満かの説明はない!)、2月1日から全面的に薬局を閉鎖することもありうるとしている由。

これに対して大統領府が介入してきて、大統領は価格引き上げが29%にもなるとの報道を否定し、また価格監視の体制を整えると約した由。

al arabiya が聞いて回ったところでは、大部分のエジプト人は、医薬品は市場の価格変動に任せられるべきではなく、政府は十分な薬品が適正な価格で、国民に提供されるべきであると考えている由。

シーシは先日の大新聞の編集長たちとの会見で、エジプト政府は3年前から政府としての製薬工場を建設中で、工場は6月30日に完成予定で、工場はエジプト国民に対して十分や薬品を提供するであろうと約束した由

https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/egypt/2017/01/16/أزمة-الدواء-في-مصر-تطورات-سريعة-وتدخل-للسيسي.html

https://www.alarabiya.net/ar/aswaq/economy/2017/01/12/الأسواق-تترقب-الإعلان-عن-زيادة-أسعار-3-آلاف-دواء-في-مصر.html


上記のうち、16日付の記事が事実関係を詳しく報じていないので、若干疑問のところもありますが、大統領自らが医薬品の製造、販売問題にまで口を出さなければならないところに、エジプトの医療の問題があるように思われます。

因みに、エジプトでは多くの庶民はちょっとした怪我や病気ならば、医者にかからずに薬局で薬を求めて対処する(80年代では薬局が注射もできたが、今でもたぶんそうでしょう)ことが非常に多いので、薬局のストライキなどということになると、日本で想像するよりもはるかに深刻な問題になりなります。

それにしても、薬品の不足や値段の問題に対応するために、国が直轄の工場を作るというのは、いまだにエジプト経済政策がナセル時代から大きく変わっていないことを示すものかもしれません。

おぞらく大統領が更迭を狙っている大臣の一人が、保険大臣であることは間違いなさそうです。

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