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管理職の育児休暇について考える 自分だけの「権利」を実現することはできない

 朝日新聞に次の記事が掲載されました。

部長職、育休とったら干された 転勤迫られ…退職」(朝日新聞2017年1月15日)

 部長職であった男性は41歳、育児休暇を4か月とったら、閑職に追いやられ、それでも辞めないために北海道への転勤命令、退職を余儀なくされたという事案です。

 育休を取る前は「大勢の部下を束ねていた。土日も朝晩も関係なく忙しかった」という状態でした。

 子どもが0歳のとき妻が復職。そのときは保育園に入れることができず、夫側の母親を呼び寄せ対応。しかし、それが限界で保育園の入園が決まるまでの間、育児休暇を取得というやむにやまれぬ選択をし、子が1歳のとき、4か月の育児休暇を取ったがために会社から放り出されたというものです。

 しかも育児休暇を取得する前から会社から「「うちの会社に育休なんてねーよ、バーカ」。育休をにおわせただけで上司に一蹴された。」

 私もこれを読んだとき、確かにこの会社のやっていることはえげつないし、朝日新聞が取り上げた事例は、男性がやむにやまれぬ状況で育児休暇を取得したというものですから、酷いなという感想は持ちました。

 ところで、ここでは妻(母親)側が出てきません。出産後、すぐに復職されたようです。それ以降の育児も夫側の母親が対応するだけで妻側の親が出てきませんし、妻が育児休暇を取得するということにもなっていません。

 恐らく妻も仕事に関してはキャリア組だったり専門職だったりするのでしょう。逆にこの妻の復職がパートと言われてしまうと、正直、その選択ってどうなんだろうと思います。

 育児休暇というものは労働者としては権利として位置付けられるものですが、それが当然と言われてしまうと違和感はあります。

 駒崎弘樹氏(認定NPO法人フローレンス代表理事)のように育児が「仕事」などと言われてしまうと私は全く共感も賛同もできません。

(この方の場合、自分の子どもを売り物にしている点で嫌悪感しかありません。)

男性の育児休暇が人として当たり前と言われると違和感しかない すべての国民が育児休暇を取れるようにしますか

 社会主義や共産主義社会であれば、社会全体で育児に関わる、育児休暇はすべての国民(父親、母親)が育児に専念するなどということも可能でしょうが、日本は現在、そんな社会ではありません。

 日本全体の父親(母親も含め)すべて育児休暇を取得するなど無理ですし、しかもそれが管理職であったりすれば、会社がなおさら人材をどのように確保するのかという問題にもなります。

 例えば、育児休暇を何度も取ったり(子がたくさん産まれればそうなる)、大事なときに抜けてしまうということになれば、確実に出世コースからは外れます。

 そのようなハンディをものともせず「成果」を出す人であれば別ですが、育児休暇を取得しない従業員と同様に昇進させたり責任ある仕事を任せることはできないし、給与もそれに見合う分しか出せないということになるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

 誰をどのように昇進させるかは使用者の裁量ですが、それが露骨な男女差別であったり、労働組合排除、思想差別であれば違法となりますが、それはあくまで前提として同じ仕事をしているからです。育児休暇の取得は適法であったとしても、前提としての同じ仕事をしているわけではありません。

 朝日新聞に上げられた事例は、そう考えても酷いなという事案です。だから記事になったのかもしれません。育児休暇取得に露骨に報復をすることによって他の従業員に育児休暇など取らせないというものだからです。

 この男性もそれまで必至になって働いてきたことも伝わってくるからです。

 但し、家庭内での分担という姿は見えてきませんが。

 この男性は退職後に裁判を起こしていますが、その会社に残るということを前提にするのであれば、同じ声の仲間を集め労働組合を結成し、会社と闘ってもらいたかったと思いました。

 困難な闘いではありますが、権利は当然には実現できない、労働者の権利の実現のためには一定の闘いも必要です。

 会社が負担するにせよ社会が負担するにせよ、その負担は全従業員もしはく全国民が支えなければならないということも自覚しなければなりません。

 現在、ワークライフバランスという言葉も浸透してきましたが、働き過ぎ、長時間労働の労働者の労働時間を減らすために仕事とプライベートの時間のバランスを取るべきだということであれば、とても共感するのですが、プライベート重視の意味合いでワークライフバランスを用いられると違和感しかありません。

 育児休暇もこの延長線上で考えるのであれば、それは1つの選択ですが、それに伴う不利益(出世から外れる、賃金が上がらないなど)も覚悟した上で選択すべきでしょう。

 会社が支えるということになれば、会社の利益を削るか、全体の賃金を下げるか、その間でもって人件費を捻出し、人員を補充するかしかないのですから、いずれにせよ、会社内の社員の理解と会社との闘争が不可欠になります。

 裁判において育児休暇を取得することに対する報復が違法とされ、その後も育児休暇取得が続くことになれば、人件費全体が下がることは目に見えています。

 それがダメだというのであれば会社の利益率を下げさせるための闘争が必要だということです。自分の「権利」だけ実現させてくれというだけではその「権利」が実現することはありません。

 あるいは、前述したとおり、会社ではなく社会全体で支える仕組みを求めるのであれば社会主義や共産主義社会を目指すべきことになります。それが富の再分配でもあります。

 当然のごとく育児休暇が与えられることはない、私は誰もがそれを認識すべきだと思います。

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