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議員年金復活。その前に考えること。

 報道によると、地方議会の半数以上に当たる少なくとも900議会が、議員の厚生年金加入を可能にする法整備を国に求める意見書を可決したという。武蔵野市議会でもこの協議があったが意見書は提出しなかった。

■議員の仕事は何か

 意見書は、地方自治法に基づき国などに地方議会の意見を伝える制度。受け取った側にはなんら拘束力はないが、議会の意思を示すことになり、意見書の賛否が議会での論戦の場となることが多い。

 厚生年金への加入を求めるのは、地方議会の役割が重要になり議員が専業化する傾向がある一方で、年金がないことから将来に不安があり、議員になろうという人材が不足していることが理由だ。2011年に廃止された地方議員年金制度に代わる制度として考えられている。

 全国市議会議長会が全国の市議会へと意見書を提出するように要請があり、各市議会で提出するか、あるいは、提出して本会議で賛否を取ることを行っている。

 武蔵野市議会でも協議されたが、反対する議員もあり、賛否が割れてまで提出する内容でもないだろうと判断し提出を見送っている。正しい判断だろう。都内でも同様の議会が多いようだ。

■議員は常勤か

 全国の半数で提出していることは報道で分ったが、これほど多いとは思わなかった。
 確かに国民年金より支給額が高くなる制度があれば、将来への不安は減るとは思う。しかし、年金制度を考える前に、そもそもの議会、議員の活動は何をすべきかとの定義が必要ではないだろうか。

 議員といえば、特権を持っている。高給なのに仕事をしないとの批判を聞くことは少なくない。しかし、ではその仕事とは何かが住民も議員も明確にしていない以上、常勤職員ではない議員は、常勤職が前提の厚生年金に加入するのは制度上おかしなことだ。
 
 制度上、正社員の約3/4以上であれば、常勤ではない人も加入できるが、週40時間が常勤の勤務時間とすれば、3/4の30時間を議会に議員がいるかといえば、予算や決算審査時期を除けば、ほとんどいないのが実情だろう。

 もちろん、外へ出ての調査やヒアリング、先進地の視察、研修などもあり議会にいるだけが仕事ではない。これらに費やす時間も多いので、実質的には30時間を越えていると自分では思うが、他の議員が何をしているか皆目分らないのも実情だ。

■そもそもの議員の仕事

 議場にいて議案の賛否で手を上げることや意味不明の質問を行うことか。市民からの相談事を市役所に伝えることか。新年会や忘年会で挨拶やお酌をすることか。それとも、執行部任せではなく政策を作ることか。

 これは住民も議員も、一体何をすることが議員であり、その仕事に対して報酬は適切か。さらに、本当に優れた議員のなり手が少なく具体的にどのような問題が起きているかを検証してから、では適切な報酬はいくらなのか。

 そのうえで、年金が必要なのかを考えるべきだ。議員の仕事を明確にすること。そして、その仕事を住民が納得し、税金が支払う報酬額は、当然のことと思ってもらって上でさらに年金が必要かを議論すべきなのだ。
ない。

■議員もいろいろ

 もうひとつ、考えておくことは、どこの議会も同じではないことを住民に知れていないことだ。
 報酬だけでみると、月額100万円を超える東京都議会議員から10万円の村議までと幅が広い(参考:日本☆地域番付 全国・全地域の議員報酬番付)。よく問題になる政務活動費も年額720万円の東京都議会からゼロの議会まで幅広い。

 武蔵野市議議員の報酬は月額55万円で政務活動費は年額48万円。正直なところ、税金や国民健康保険料、家賃を払い子どもの教育費も考えると共稼ぎでないとやっていけないのが実情だ。それも4年ごとに選挙がある不安定な「非正規雇用」を考えると、会社勤めを辞めてまで議員にはなるな、とはっきりいえる。その結果、働く世代の人材が乏しくなるのが実際でもある。

 議員とひとくちに言っても、報酬も仕事の中身も千差万別だ。議会や議員は何をする。その活動のを見える化し、住民が議会や議員の仕事を理解すること。これには、議会基本条例を制定し活動の原則を示し、さらに住民との意見交換など重ね、住民が納得したうえで初めて検討すべきなのだ。

 突然の話に思えてならない年金の復活。それも、厚生年金に加入では、住民の理解を得られないだろうし、私自身も理解できない。私自身、不安は多いが、現状では意見書を提出すべきではない。これだけは確かだ。

【参考】
静岡新聞NEWS 900議会「議員厚生年金を」 なり手不足訴え静岡市など意見書 (2017/1/16)

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