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『SHIBU Culture』中止で考えたこと

 先月1月25日から西武百貨店渋谷店美術画廊で開催された『SHIBU Culture 〜デパート de サブカル』展、Parsleyは2回足を運んだけれど、とても素晴らしい展示だった。

 「SHIBU Culture 〜デパート de サブカル」シブカルチャー 〜デパート デ サブカル〜(レッツエンジョイ東京)

 文フリ大交流会トークセッションでもご登壇頂いた胡子女史の「お嬢様学校少女部」の展示があったり、松山賢氏の「彫りガール」のようにデルボーあたりを彷彿とさせる背景に全身刺青のようなものでデコレートされた少女が映っているような作品、舩木大輔氏のフェティッシュな人形に別の意味を付加させるような作品、真珠子女史のように抽象画を思わせるような作品と、展示されている作家さんは多岐にわたっていた。これらの作風もばらばらの作品群を、「サブカル」というくくりならなんでもありでしょう、というキュレーターさんのいい意味での明るい強引さが、場自体をそのままメッセージとなりうるような、そんな企画展だった。
 個人的には、ににユイチ女史という作家さんを知れただけでも、有意義だった。

 そんな『シブカル』だが、2月1日に突然会期途中で中止になってしまった。

 『SHIBU Culture 〜デパート de サブカル〜』終了のお知らせ

 正式なリリースが出る前にtwitter上であっという間に情報は広がった。中には東京都の青少年健全育成条例改正の影響があったのでは、という風説も流れているようだ。(Togetterのまとめ参照
 個人的に作家さんに事情を聞いてみたところ、都条例とは直接関係がない模様だが、中止の理由はここでは書けない。
 ただ、一つ思うのは、今回の件といい、都条例の件といい、「善意のモラリスト」という顔の見えない存在が、アートやカルチャーに与えている圧力というのは、想像以上に強い、ということだ。
 都条例に関しても、非実在性青少年を扱っている作品について、「誰」が規制をかけようとしているのか。教育委員会だったりPTAだったりするのかもしれないけれど、特定の個人の「顔」は見えないままになっている。
 「シブカル」中止の圧力となった存在も、現時点では私たちからは「顔」が見えない。だから「善意のモラリスト」と呼ぶしかないのだが、彼/彼女が「健全な社会」にすべくべくホコリを排除しようと動いていることだけは分かる。そして、それが彼/彼女の「正義」だということも。
 だからこそ、非常に性質が悪いのだ。
 そしてもう一つ。たぶんこれは世代間の問題でもあるだろう。コンクリートの壁がキレイに積まれている町並みを作り上げた世代と、公衆電話ボックスにテレクラの広告がびっしり貼られているのが当たり前の中育ってきている世代とでは、都市における美的感覚は当然違うし、「自由な表現」というものに対する感覚もまったく違うのではないだろうか。

 都条例が施行されるとアウトになる可能性が高い表現を扱っている作家さんにしろ、今回企画展が中止の憂き目にあった作家さんにしろ、このような社会からの圧力にどのように対峙していくのか、これから問われることになると思うし、それが作家としての姿勢などにも影響していくことになるだろう。
 また、そういった「社会」が息苦しいと感じている私Parsleyのような人間からしてみれば、表現の自由への規制圧力に対してどのように反論し空気を変えるように努力していくのか、やはり問われることになる。

 おそらく、そういった空気とまっこうから向かい合って、一定の成功をおさめている一人が村上隆氏なのだろう。彼が最近だした『芸術闘争論』は、アートの世界のお作法的なものを学ぶことを含めて、一読する必要がありそうだ。

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