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トランプはグローバリズムの破壊者となるか?

トランプ氏が記者会見の振る舞いなどで益々、評判を落としている。わしもツイッターで一方的に脅しをかけて、議論そのものを封じるというやり口には嫌悪を催す。 

だがアメリカ人も日本人も、トランプという人物への嫌悪感と、政治家としての政策を一緒くたにしてしまうのは間違いだろう。

今までグローバリズムの弊害を論じてきた知識人やメディアでさえも、トランプの保護主義的な方向性を批判している。グローバリズムは格差拡大するからダメ、保護主義は自国中心主義だからダメと、両方批判するのなら、一体どうしろと言うのか?二者択一ではないと言うのなら、その方法論を示すべきだろう。

わしはトランプの方向性は間違っていないと思っている。メキシコに生産工場を作って、メキシコの雇用を創出し、低コストで低価格の製品を作って、米国に輸出するという多国籍企業の手口は、賃金の「底辺への競争」を加速して、結果的には米国の雇用者の賃金を引き下げ、雇用を奪う道に繋がっている。 

トヨタが米国内にも投資すると弁解しても、米国内の労働者の賃金はメキシコ人の賃金水準まで下がっていくのだ。 

中間層が崩壊していく恐れが強いから、それを食い止めると言ったトランプに、米国人の多くが投票した。サンダースだって、若者の多くが反グローバリズムの期待から支持したのだ。グローバリズム・自由貿易に対する反発が、米国内に拡大していることは間違いない。 

トランプは中間選挙までに自分の支持者の期待に応えねばならない。そのために、早くもツイッターの指先介入だけで、多国籍企業の国内回帰をもたらすとは、トランプの破壊力は大したものだ。 

共和党が「国境税」を作ると言っているが、日本の知識人もそれはWTOに抵触するから無理だと言っている。果たしてそうなのか? 

誰が大統領になったって、グローバリズムは歴史の不可逆的な潮流だと妄信している者の石頭を、トランプは破壊してしまうのではないだろうか?グローバリズムは人為的な計略だと分からせるには、やはりトランプくらい破壊的な人物でなければならないのかもしれない。 

ちなみに言っておくが、保護主義は鎖国主義ではない。国内の弱い産業は守るが、貿易はインターナショナルに行うという1970年代までの日本の健全な国家の姿だ。日本は保護貿易で高度経済成長を達成したのである。 

さらに言っておくがリンカーンは保護貿易主義者である。アメリカは保護貿易で、建国の時代の工業化を成功させたのである。トランプは建国の理念に戻っているだけだ。

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