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BPOはMX報道を裁けるか

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1月2日放送、東京MXテレビ「ニュース女子」から

偏見だらけの番組だった。

筆者が常々ウォッチする「テレビ」というジャンルで、「報道」と銘打ってはいるが報道が守るべき手順を踏まずに「予断と偏見に満ちた放送」が堂々と繰り広げられていた。

最初に記事として配信したのはBUZZFEEDだった。

「沖縄の基地反対派は日当もらっている」MX報道 その根拠となる取材と証拠とは

詳しい内容はBUZZFEEDの記事を読んでほしい。

TOKYO-MXTVの番組「ニュース女子」が1月2日、沖縄・高江の米軍ヘリパッド建設に反対する人たちを「テロリスト」と表現し、「日当をもらっている」「組織に雇用されている」と報じた。

反対運動に参加している人たちや名指しされた団体「のりこえねっと」は反発。報道は「歪曲」で、そもそも取材も受けていないなどと、抗議声明を出した。

出典:BUZZFEED「沖縄の基地反対派は日当もらっている」MX報道 その根拠となる取材と証拠とは

実際に番組を見てみたら、BUZZFEEDの指摘通りで、様々な問題があることがわかった。

民放テレビ局の報道記者を長くやった経験でみると、なぜこうした報道が行われたのか、なぜ放送を許したのか疑問だらけだ。



問題になった番組は、「ニュース女子」という名前でキャッチフレーズは「★タテマエや綺麗ごとは一切なし! 本音だらけのニュースショー!!」だ。

番組内でも「マスコミが報道しない真実」というフレーズが何度も繰り返されるが、他のマスコミが伝えないことを伝える、というのが番組の売りらしい。

問題部分は、『ニュース女子』の中の20分あまりのコーナーで「軍事ジャーナリスト」で「軍事漫談家」とも紹介される井上和彦氏がVTRレポートとスタジオでのトークで「沖縄・高江ヘリパッド建設問題」を伝えているコーナーだ。

スタジオには保守派で知られる男性ジャーナリストや男性コメンテーターたちが並んでいる脇に若い女性たち数人も陣取ってVTRや男性陣のコメントなどにいちいち「えーっ!、「へー、そうだったんですか?」などと驚きの声を上げて盛り上げていく、そういう作りの番組だ。

私が報道機関としての原則や倫理に違反している番組だと感じたのは以下の点だ。

(1)「反対派住民」を最初から敵対視している

VTR部分の最初の方で「いきなり、デモ発見!」というナレーションとともに井上氏が

「いました、いました!反対運動の”連中”がカメラ向けていると、こっちの方見ている。このへんの運動家の人たちが襲撃をしにくると言っているんですよね」

とカメラ目線でレポートし、反対派のほうに近づく。

「連中」という言葉は相手を蔑んだり見下したりする言葉だ。通常は報道番組でこうした言葉を記者やレポーターが使ったら、それだけで番組としてアウトである。それなのに反対派住民に対して最初から敵対的なのだ。

1月2日放送、東京MXテレビ「ニュース女子」から

「この辺の運動家の人たちが襲撃に来ると言っているんですね」

と語る井上氏の姿に『井上さんは反対派にとって有名人』という字幕がかかる。

さらに「井上さん、このまま突っ込んで襲撃されないですか?」と面白がるような口調のナレーションが入る。

次に井上氏が反対派に「取材交渉」したという大きなテロップの文字が入る。

だが、すぐに「このままだと危険と判断し。ロケ中止」という文字に変わる。

その文字の後で、井上氏がカメラに向かって

「近づくとね、1人、2人立ち上がって敵意をむき出しにしてかなり緊迫した感じになります。このあたりで止めておいて…」

とレポートする。

スタジオにいる女性が「かなりうれしそうだな」と茶々を入れたり、笑い声が聞こえる。

反対派に対し、終始馬鹿にしたような姿勢でぶざけた感じで扱っている。

(2)「反対派住民」が組織的に動いているという印象をとかく強調する

その後で「元祖反対派が集まる」とナレーションが紹介する米海兵隊の普天間基地の前に井上氏は行くが、反対派の姿は見えない。

井上氏は

「ぶだんならひどい状況になっていて、ちょっとどうなっているのかなと思って地元の方に聞いてみると、基地の外の反対運動の人たちは土 日お休み。週休2日のようですね」

とレポートする。

東京MXテレビ「ニュース」から

土日は活動せずに「週休2日」と言って、なんらかの組織に雇われてお仕事として働いているイメージが強調される。

その都度、スタジオの女性たちの笑い声などが響く。

その後で、翌朝に撮影されたという反対派が基地の前にいる映像が入り、ナレーションで

「ちなみに次の朝、ちゃんと出勤していた反対派のみなさん、お疲れ様です!」

と茶化すナレーションが入る。

その後で井上氏が再び登場して

「もう一つの理由はこのへんの反対運動の人たちはどうやら高江のヘリパッドの基地建設現場へ集中投入されていると…」

と思わせぶりにレポートする。

反対派は本人たち一人ひとりの意思というよりも組織の指示であちこちに移動するというイメージだ。

(3)「反対派住民」を年寄りばかりと揶揄し、嘲笑している

この後、井上氏は名護市にある辺野古基地の前の反対派が立てた青いテント前を車で移動する。

1月2日放送、東京MXテレビ「ニュース女子」から

そこにいる反対派の人たちを「定年過ぎたような人ばかり」とレポート。

続くナレーションでは

「反対派の過激デモを支えるのは彼らシルバー部隊。万一逮捕されても生活に影響が出ない65歳~75歳を集め、過激デモ活動に従事させているという」

と伝える。

反対派は、絶えず揶揄し嘲る対象として登場する。

組織が反対派を従事させている、という印象を強める姿勢で伝えるが、なぜ反対するのかについて当事者を取材して伝えようとはしない。

1月2日放送、東京MXテレビ「ニュース女子」から

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