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PC録画進化停滞の時代

近所の自動販売機が暖かいコーヒーやお茶の販売を始めました。急速に涼しくなったことに、日本にはやっぱり四季はあるんだという事実を感じます。おかげで汗が出にくくなって、PCの組み立てが捗る捗る。PCケースには昨日までの暑さで流れ落ちた汗の跡がはっきり残ってました。いや〜買ったばかりなのにもうわたしのパソコンだなぁ、こいつも。拭いて落としましたよ、もちろん。

日本放送協会が9月28日まで「次期経営計画案への意見募集」というのをやっています。専用メールフォームから入力すれば簡単に投稿ができますので、意見のある人はお早めに送っておきましょう。もちろんわたしは送り済みです。
その中でここで取り上げるのが以下の質問項目
"放送と通信の融合時代にふさわしい、インターネットを含めた様々な伝送手段を利用した新たなサービスの充実に取り組む必要があると考えています。
 これについて、あなたはどのようにお考えですか?"
この期に及んで、いまだに「放送と通信の融合」と叫んでいるんですよ、日本放送協会は。少し怒りを覚えて、こんな回答を送っておきました。

「弱小の企業が細々とやっているネット再送信サービスを潰すため、何度負けても勝つまで裁判を繰り返しているような放送局に通信との融合など語る資格はない。頭をたたき割って一からやり直せ」

こういうことを書くと、他の意見なんかも読んでもらえなくなるんだろうなぁと思いつつ、キーボードを叩く手を止めることが出来ませんでした。かの「まねきTV裁判」を覚えているでしょうか? ほぼ同時期に「ロクラク裁判」も行われていたので混じってしまってややこしいのですが。「ロクラク裁判」が録画をともなったためにそれまでの録画ネットなどの判例を踏襲したものだったのに対し、録画をせずに視聴だけを目的とした「まねきTV」はそれまでの判例をどう活用しようとも違法とすることが出来ず、テレビ局連合は裁判において連戦連敗をくり返していました。が、かの田原睦夫率いる最高裁の裁判官チームは「自動公衆送信と言えれば自動公衆送信装置と見なし、送信可能化権侵害」という前代未聞の解釈を行い、強引に「まねきTV」に違法判断を下したのです。ちなみにこの解釈が厳密に判断されるとケーブルテレビや共同アンテナも立派な自動公衆送信なので送信可能化権侵害なのですが、テレビ局にとって都合のいいものは無視するという判断で落ち着くことになったようです。

こういうテレビのネット配信をつぶすことばかり一所懸命で、どこが「放送と通信の融合時代」なのでしょうか。その権利は放送局だけに存在する、とでも言いたげです。言いたいのでしょう。そのためにデジタル放送を、あらゆる苦情や市場の崩壊を振り切って、テレビにスクランブルと録画規制を持ち込み、そのまま突っ切ったのですから。
その対抗馬であるはずのわたしたち利用者は、PT2などの存在に満足してしまい、テレビ局や権利団体の暴挙に対する反論者の役目を果たすことが出来ず、結果日本のテレビは常時規制付き、という現状を黙認した形になってしまいました。デジタル放送の普及問題だけに報道を集中してそっちを無視するマスコミの作戦にまんまと乗せられたのです。確かにPT2らのもたらす録画環境は満足のいくものですが、それによってわたしらの思考も意識も止まってしまっていないでしょうか? 暗号化された録画しか出来ないPC用チューナーは購入対象外ですから、買うチューナーは、ある意味何を買っても同じ、同じソフトで同じように動かすのみです。新しい製品を買う、ワクワク感といいますか、楽しみに欠ける商品にしか巡り会えなくなりつつあるのがPC録画という市場です。気がつくと、わたしもこのブログのエントリーがモバイルガジェット中心になっていました。モバイルは再生環境としては面白い分野ですが、録画にはほとんど役に立ちません。せいぜいワンセグ(それすら規制付き!)か、ネット経由でPCやレコーダーに録画予約を入れるのに使えるかどうか、です。もちろんPCをやっていないわけではありませんが、とりあえずかたっぱしから録画して、そのうち見るものだけを見る、とっておくものはまとめて別フォルダに放り込むだけ、という、必需品ではあってもダラダラした使い方が中心になってしまっています。なんということでしょう。この世の中でわたしだけはPC録画への情熱を失うことはないと昔は信じていたものですが、今はすっかりこの"ていたらく"です。規制によって所謂合法チューナーがつまらない商品しか出せないことで生じる空気はこうしてマニアの心意気をうばっているような気がします。これが著作権団体が望んだ未来でしょうか。

録画以外のPCの動画環境も、実は少し停滞気味な気がします。以前はMPEG1、MPEG2に始まってDivX、Xvid、MS-MPEG4、WindowsMediaVideo(WMV)、WMV9のavi用コーデックVCMなど、様々な最終保存向けフォーマットがありました。好みや気分、映像の特性によって使い分けたりもしましたが、今はH.264/AVCフォーマットをmp4かm2tsコンテナに入れる、くらいしか最終形態は無いでしょう。それ以外のフォーマットもまだまだ使えないわけではありませんが、出力ソフトの豊富さや能力、サポートまで考えたら、H.264/AVCに対抗できるのは圧縮率に目をつぶってMPEG2くらいなものです。H.264/AVC以上の圧縮率を持つフォーマットはまだ開発中でユーザーの手元に届いていません。現状のCPUならば、内蔵GPUの性能でも十分でフルHD動画の再生くらい楽勝ですし、H.264/AVCによるフルHDへのエンコード時間も一昔前からみたら爆速です。こうして特に目新しいものがない状況が今のPC録画界には続いており、最近興味を引くものといっても保存先のHDDの値段の低下と容量のアップくらいなものです。せめてH.264/AVCフォーマットのカット編集ソフトやソフト処理によるキャプチャーボードなどが出るのなら、もう一度盛り上がりも期待できるのですが、「日本の放送はすべて規制あり」の世界を作り上げることに成功した現状では、望み薄です。モバイルを動画の再生用として、あるいはインターネットを通した動画の配信の高画質化など、まだまだ発展の余地はいくらでもあるというのに、何か時が止まったような袋小路に入っているように思えてなりません。

こういう空気はユーザーだけでなく、メーカーも感じていないでしょうか。一部のマニア層にPCの自由な録画環境に逃げられてしまい、どうしようもなくなった所謂合法チューナーのメーカーはもちろん、レコーダーだって従来のような「テストモデルやフラグシップモデルの売れ行き・評判を元に次のモデルの仕様を決める」という作り方がやりにくくなっているのですから。アンケートと称して無差別意見を集めて反映させようとしたメーカーもありましたが、自由意見の場では大半が規制で使えない要望ばかりだったと思います、最近静かですから。

どこの誰が望んだか、責任をとらされるのを恐れて誰も出所を言わない放送の録画規制ですが、少なくとも言い出しっぺはこんな世界を望み、多くの権利者がそれに反対しなかったのですから、これから地上波を先頭にどんどん日本のテレビ産業が衰えていっても、それは仕方のない話でしょう。強い反対よりもはるかに恐ろしい静かなる減退は、少しずつ進んでいるのです。

そんななか、最近SKnetから発売されたMonsteXXは、1080/60pという高解像度多フレームのキャプチャーを実現したことにより、久々にハイエンドPCをユーザーの手元に生やす効果のありそうなキャプチャーボードですが、現実問題として1080/60pを必要とする録画ソースは現在いくつもありませんしね。近い将来実現しそうな、BSの60p放送のための先行投資として購入を考えてみようかな?

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