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メリル・ストリープと「本音」と「建て前」

メリル・ストリープのスピーチは立派だと思う。

弱者への「惻隠の情」がない餓鬼大将みたいなトランプの下品さは一国のリーダーとして情けない限りだ。

しかしオバマ大統領のように巧みな口舌で美しい建て前を滔々と語るリーダーも鼻白むだけである。
核ボタンを持って来て、核廃絶の建て前だけを美しく語ればそれで陶酔する日本人も相変わらずの平和ボケだ。 

日本にだってオバマ演説を真似た美しい建て前を真珠湾で自己陶酔しながら語った首相がいる。
それでコロッと騙される国民も平和ボケだなと思うが、実際、安倍政権の支持率は上がっている。 

「和解」と言うならもう原爆投下についての責任は問えなくなるのに、そのことが人類にとってどれだけ負の遺産になるか思いつきもしないのが日本人だ。 

そして真珠湾で「平和の同盟」と言い、「不戦の誓い」と美辞麗句を恥ずかしげもなく吐き散らかすことの欺瞞に日本人は誰も気づいていない。 

日米同盟が「平和の同盟」のはずがなく、北朝鮮や中国の武断主義が不穏に渦巻くこのアジアの情勢の中で、「不戦の誓い」などしてる場合かと吐き捨てたくなる。

日本にはまだまだ本音主義が足らないのだろう。
たかが弱者・少数者へのヘイトなど、本音とは全然言えない。
ヘイト・スピーチは本音ではなく、弱い自分の底上げを図るルサンチマンの発露なのだ。 

権力者が美辞麗句のポエム演説をやったときも、あるいはむき出しの差別主義を露わにしたときも、その「偽善」と「欺瞞」をともに叩くことこそが、本音主義なのかもしれない。

メリル・ストリープは本音なき建て前を言ったのではあるまい。
ポリコレ棒を振り回した言葉ではないと思う。
あれは権力者の「欺瞞」を撃つ本音なのだろう。 

権力者の「嘘」を見抜き、「偽善」を暴き、「欺瞞」を撃ちぬく感性が日本人には欠如している。
だから戦時中に大本営発表のマスコミの嘘に騙され、暴走する軍部を止められなかったのだ。
何も変わっていない。
日本人は何も変わっていないのである。

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