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ほんとうの「会見開放」と「ジャーナリズム」

 畠山理仁氏のマガジン9「永田町記者会見日記」が書籍化され、『記者会見ゲリラ戦記』として刊行されたことには、大きな意義があるだろう。大臣会見や検察の会見に出席出来るのは、「記者クラブ」に所属する組織の記者に限られる、という事実は可能な限り広く認知されるべきで、畠山氏の活動がこのような形でまとめられ、多くの人に会見の実態を知って貰えればいいな、と思う。

 その一方で、民主党政権になり一年以上が経過し、一部でも大臣会見が開放されたことに対して、出席しているフリージャーナリストの皆様が活動についても、批判的な視点で捉えざるをえないな、というのも、本書を読了して感じた。

 まず、大臣・各官庁の会見は「記者」会見に限るべきはなく、情報公開という観点からも広くあまねく一般人も出席できるようにするべきだ、というのがParsleyの主張になる(拙エントリー参照)。昨年、数回にわたって私自身も会見に出席してみて、その思いを強くした。

 というのも、既存メディア所属の記者の多くが、「ニュース」になる同じ質問を繰り返し、本来の国民生活に有益と思える情報について「取材活動の場」として会見を活用していない情景になっていたから。それって社会的にほんとうに重要な情報を得るための質問なのだろうか、と首を傾げる内容になった。各省庁のトップに直接相対する時間なのに、もったいない!

 畠山氏や上杉隆氏、岩上安身氏、田中龍作氏といった方々の大臣会見オープン化の活動がいまひとつ一般に心頭しない理由として、ジャーナリストの縄張り争いに矮小化され、多くの一般人にとって対岸の出来事のように捉えられていることがあると思う。

 もっというと、フリージャーナリストが出席することによって、大臣会見の場の「質」が上がるのか、一般人にプレゼンテーション出来ていない。だって、「記者会見のオープン化」に対する質問しかしてないから! この問題に関心のない一般人にとってみて、それって公益性あるのか、という疑問がつきまとう。

 畠山氏の『ゲリラ戦記』を読むと、しばしば大臣などに好意的な記述があり、「あの〜思いっきり権力に取り込まれちゃっているんですけれど…」と感じる箇所がある。特に亀井静香氏が実施した「第二会見」にその傾向が強い。

 また、畠山氏の呼びかけで開催された2010年5月12日の「亀井大臣オープン市民会見」に私も出席したが、その場は「会見」というよりもどちらかというと「後援者の集まり」といった空気で、とても亀井氏にとってアウェーな空間ではなかった。彼はそこで小泉純一郎氏の郵政改革に対する持論を延々と展開していたりしていた。最後、亀井氏が退出する時はなぜか握手攻め。

 「権力監視」って簡単じゃないなぁ、と思うと同時に、「第二会見」に出席している「記者」の皆様が亀井氏の手のひらで踊らされているのがはっきりと分かる会だった。

 あと。年末に記者会見・記者室の完全開放を求める会が総務省記者クラブに「事情聴取」(by田中龍作氏)された。その時に渡したという「申入書」の中に「記者室の自由な使用」という項目があるのだけど、一般人の感覚からしてみたら「おいおい」という感じ。

 記者クラブの情報が集中することと記者室が公費でまかなわれていることは表裏一体の問題で、どちらかを切り離して考えるべきではない。だいたい、今なら会見の時間連絡なんてメールor携帯メールをBCCで一斉送信すれば済むわけだし、記事も専用の机で原稿用紙に向かう時代でもあるまいし、その場でPCで書いて送信すれば済む話(というか多くの記者さんはそうしている)。どちらも存在自体が時代遅れなのだ。

 いずれにしても、会見開放を求める会の呼びかけ人になっているフリーの皆様は、記者会見場に自分が入ることが出来ればそれでよいのか、記者クラブ・記者室の廃止を主張しているのか、旗幟をはっきりと表明すべきだろう。

 話をもとに戻す。岩上氏が既存メディアに対してフリーが「多勢に無勢」とおっしゃっていたけれど(参照)、ならば会見を「記者・ジャーナリスト」だけでなく「誰でも参加可能」にまでハードルを下げて、既存メディア社員が「無勢」になるようにするべきだ。

 とにかく、Parsleyとしては、政局ばかりに汲々としている政治家たちにうんざりしているし、「会見全文」といいつつフリージャーナリストが質問した部分を消すといったみみっちい情報操作をする既存メディアは潰れた方がいいと思うし、「会見のオープン化はいつ実現しますか」しか質問しないフリージャーナリストのレベルってどうよと思うし、社会性というものに無関心なアルファブロガーの皆様には失望しているし、「マスゴミ」と言いつつニュースソースを鵜呑みにしてあーだこーだ言っている2ちゃんねらー&ついったらーはウザいし、全てに対して超むかついている。

 だから、私は私の出来る範囲で、会見室の空気を一変させるべくいろいろ動いてみることにした。たぶん、既存メディアの中の人でもない、フリージャーナリストでもない、これまでにないアプローチをやってみる。どこまで実現出来るかは分からないところだけれど、期待せず期待してお待ち下さい。

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