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読後感:「仮想通貨」の衝撃・「遊びと人間」

為末大(スポーツコメンテーター・(株)R.project取締役)

仮想通貨の衝撃を読みました。

てっきりブロックチェーンがらみのことが書いてあると思ったのですが、主にソーシャルゲーム内の仮想通貨(マイルやポイントなども含む)をどう捉えるかという話でした。以下、ポイントをまとめると

・すでに仮想通貨は結構使われている
・国が発行する紙幣にはなんの根拠もなくみんなが信用するから、通貨として存在していられる
・通貨の三つの役割に、喜びを与える、という役割も加えるべきではないかという問題提起
・仮想通貨に課税すべきか云々
・この著者すごいゲーム好きなんだなというのがひしひし伝わる
あまり詳しくない分野だったので、そもそもの紙幣の成り立ちや(元々は銀行が勝手に発行していたのがはじまりだそう)国家が金本位制から今のようになったのも案外最近だとか、勉強になりました。

よくお金の正体は信用であると言われますが、少しだけ理解できたような気がします。家にあったので持ってきたのですが、そもそもこの本は誰にもらったのか忘れてしまいました。興味のある方はどうぞ。

実家にあったので久しぶりに引っ張り出して読んでみました。カイヨワの遊びと人間です。

私はホイジンガのホモルーデンスが好きなのですが、同じく遊びから社会を考えたカイヨワの本です。遊びとは何かというよりも、社会の中にいかに遊びの要素が認められるか、また遊ぶとはどういうことをかを考えさせられる本です。まずカイヨワは遊びを四つに分類します。

アランー 競争(スポーツ、チェスなど)
アレアー 運に委ねること(ギャンブル、トランプなど)
ミミクリー 模倣(演劇、ごっこ遊び)
イリンクスー 目眩(遊園地、飲酒など)

特にイリンクスを遊びとして持ってきたあたりがカイヨワのすごさなのだと思います。あと、この四つの遊びが、パイディア(自由になろうとする力、原初の形)とルドゥス(恣意的に強制に向かう)のどちらかによっていると書いてもいます。スポーツはアランでありルドゥスに寄っていると言えそうです。

面白いのはカイヨワ(ホイジンガもですが)によれば、遊びとはそれそのもので完結するものであり、何かの目的を持ってしまえばすぐに遊びは消滅してしまうと捉えているところです。彼は、賞金を目的としたプロスポーツは純粋な遊びではなく、遊びからの堕落だと捉えています。

私の個人的な経験からいうと、スポーツの原初は遊びに始まり、そのうちに上達の喜びを覚え、スポーツを通じて名誉や金銭を獲得しようとし、それらがある程度到達されると意味を問い始め、ある日これは遊びだったのだということに気づき、また遊びに還っていく。というプロセスだったと思います。

遊びは一旦壊れてしまえばもはや遊べないというイメージを持ちましたが、現代社会はもっと、遊びとそうではない世界を行ったり来たりしているような気がします。ポケモンGOなどはまさにそうですね。

フランス人のスポーツ観はカイヨワ的だなと思うことが多いですが、カイヨワもホイジンガも遊びの要素に“自由であり、誰の制約も受けないこと”と定義しています。もちろんルールなどには縛られるわけですが、誰かの命令に従ったり、やるべきことをやるというのは遊びではなく、遊びはいつも自由で自発的な行為であると言っているわけです。

こういった遊びの哲学が背景にあると日本のスポーツも幾分か和らいで、より多くの人がスポーツを楽しんでくれるのではないでしょうか。

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