- 2017年01月04日 08:30
【読書感想】続 聞き出す力
1/2内容紹介
ビートたけし氏推薦で話題沸騰!!!!!!ベストセラー第2弾!
吉田豪最新刊 満を持しての登場!!右も左も善も悪も
正しいサブカルも間違ったサブカルも
すべてを飲み込む面白至上エンターテインメント!!知らない話がまた出てきた!
無駄に波風を立てながら、最終的にはいい着地点に持って行く──
いまふたたび証される、インタビュー超人、鬼の50則!?
『週刊漫画ゴラク』同名連載を単行本化し大好評を博した、現代屈指のインタビュアーによる、相手からいかに面白い話を引き出すかのテクニックや、これまで接した著名人とのエピソード集第2弾。前作以上にパワーアップした爆笑&おどろきエピソード満載!
プロインタビュアー・吉田豪さんのベストセラー『聞き出す力』の続編。
『聞き出す力』は、「人の話を聞く(インタビューする)」ためのノウハウ本、かと思いきや、どちらかというと、有名人をインタビューした際の面白エピソード満載、という新書だったのです。
それを言うなら、阿川佐和子さんの『聞く力』もそんな感じだったですしね。
そして、今回の続編も、やっぱり楽しく読むことができました。
読んで、「聞き上手」になれる感じはあんまりしなかったのですが。
オビでビートたけしさんが、真面目な顔写真入りで、前著で触れられていた「濡れ衣恫喝事件」を謝罪しつつ、この新書を薦めておられます。
あの「超大物に人違いで怒られた話」をネタというか宣伝に利用してしまう吉田豪さんの商魂と、それに乗ってしまう、たけしさんの写真のインパクトといったら!
この新書を読んでいると、なんとなく「常識」だと思いこんでいることが、「人と話をする現場」では、時間の無駄になったり、かえって進行を妨げたりすることが多いということがわかります。
たとえば、冒頭に出てくる、こんな話。
最近、アイドルの子から逆インタビューを受ける機会が増えてきて、それはそれでいろんな意味で勉強になる。要は、インタビューでやっちゃいけないのってこういうことだんだなと、改めて気付かされたりするっていう意味で。だって制限時間五分ぐらいの企画なのに、いきなり「まずは自己紹介からお願いします」とか言うんだよ? そんなの時間の無駄だし、大人数のインタビューでどれが誰の発言だかわからなくなりそうなときぐらいしか自己紹介なんて頼む必要ないのに!
で、人数が多い場合も、ただの自己紹介を頼んだってまず面白くならないのは、飲み会とかで自分が自己紹介を振られたときのことを思えばわかってもらえるはず。ボクもできればそんなことやりたくないし、キャバクラなり美容院なりで「どんなお仕事をされてるんですか?」と質問されたとき、正直にこたえても適当な嘘をついてもどっちにしてもウンザリしてくるぐらいなので、インタビューでは自己紹介禁止!
だから、僕が人数が多いアイドルグループとかでそれぞれのキャラクターを掘り下げたい場合によく使うのは他己紹介、つまり他のメンバーにそれぞれのいいところや悪いところを話してもらうパターンだ。これなら無口すぎて、ほとんど会話に入ってこられないメンバーも活きるし、その後の話も転がりやすくなる。
自己紹介がいらないのに、そこでムダに時間を使ってしまっていることって、たしかに少なくなさそうです。
そして、「他のメンバーを紹介する方式」なら「紹介される側」だけでなく、「紹介する側」のキャラクターも伝わってきますよね。
人間関係がうまくいっていないグループだと、かなり緊張した雰囲気になりそうですが。
自己紹介って、どうしてもありきたりなものになってしまいそうですし。
この本を読んでみて思うのは、吉田豪さんというのは、「決めつけない人」なのだな、ということです。
そしてRev.from DVL所属、千年に一度のアイドル・橋本環奈の場合。
「ブログとかインタビューとか読んでて思ったのが、ネガティブ的な要素がゼロだってことなんですよ。アイドルぐらい病みやすい商売もないのに、弱音とかまったく吐かないですよね?」とストレートに聞いてみたところ、「弱みを見せるのは嫌です。だって言葉が悪いですけど、ウザくないですか?」とハッキリ言ってくれたから、その時点でまず見る目が変わった。
とにかく彼女、「ネガティブなことを言ってもいいと思うんですよ。それも個性だと思います。でも、私は言いたくない。恥ずかしい」と言い切るぐらいのタイプなのである。
続いて、「ブログも自分のことを書くより、メンバーのことを紹介していきたいっていう匂いがすごいするんですよ」と聞くと、「なんでわかったんですか(笑)」「やっぱりグループで売れたいんです」「何度言っても不仲説って出るじゃないですか。私がこういうふうに話題になったからって理由もわかるんですけど、ライブを観たら、メンバーがウザいほど仲いいのがわかるので」
と返されて、彼女のブログが面白くない理由がわかってきた。彼女は自分の面白さをアピールすることに、これっぽっちも興味がないのだ。
結局、「天使すぎるアイドル」とか「千年に一度のアイドル」とか持ち上げられ続けて、謙遜してもアレだし、そこに乗っかっていったら嫌われるしで、彼女は最初からやりにくいポジションにいるのである。指原莉乃みたいに「お前、ブスだなー」的ないじられ方をすると「えー! ちょっと何言うんですか!」とか受け身を取りやすいけれど、褒められるのはやりにくくてしょうがない。
その結果、どうしても優等生的な受け答えしかできなくなっていくわけなのだろう。
なので、そういうことしか言わない人を取材するときは、徹底して優等生的な発言を引き出すか、なぜそういうことを言うようになったのか理由を掘り下げるか、どっちかだと思うのだ。



