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好調の吉野家、「女性向け牛丼」で追い上げなるか

いちよし経済研究所 鮫島誠一郎 構成=衣谷 康

牛丼御三家といえば吉野家を運営する「吉野家ホールディングス」、松屋の「松屋フーズ」、すき家となか卯の「ゼンショー」の3社が挙げられる。それぞれの2016年10月の既存店売上高は、吉野家が前年同月比15.1%増と伸ばし、松屋が4.1%増、すき家は4.7%減だった。

吉野家が好調に見えるが、もともと2015年は牛すき鍋膳などの新メニューが不発で、売り上げはよくなかった。一方、すき家は15年同時期に牛丼を値引きするセールをやっていたため、比較すると今年は悪かっただけの話だ。店舗数でみると吉野家1202店、松屋1058店、すき家が1965店(16年10月末現在)と、ゼンショーとほか2社の間には大きな差がある。

ゼンショーは、すき家の過酷な労働環境を要因とする人手不足で、2015年3月期は純利益マイナス111億円と創業以来初の赤字となった。だが2016年3月期は純利益40.2億円、17年3月期第2四半期は49.1億円と立て直しに成功している。

各社の戦略にも違いがはっきりしてきた。吉野家は米国産牛肉にこだわった牛丼を強みとしているし、松屋は牛丼以外の定食が人気で、牛丼屋というより定食屋チェーンという業態になってきた。すき家は牛丼の上に色々なものをトッピングできる自由さが特徴だ。また、すき家は都心のサラリーマンや独身男性を主なターゲットとする吉野家、松屋に対して、主に郊外に立地し、家族向けのメニューが中心という違いがある。

さらに、すき家は店にドライブスルーを導入するのもほか2社より随分早かった。これは、地方で働く女性が車で自宅に帰る際、気軽に立ち寄れる新たなニーズを生み出した。

最近は吉野家もベジタブル牛丼(ベジ丼)など女性向けメニューを出すようになった。メニュー開発やマーケティングで差が開いたゼンショーと同じ戦略でなく、独自の方向性を志向していくと思われる。

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