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Noise From The Edge Of The Universe Vol.2

(「週刊メルマガクリルタイ」Vol.26(2010/01/25 配信分) の原稿を再掲)

今日は私の知り合いの女性の話をします。

彼女は私の直接の知り合いというより、私の両親の知り合いの娘なんですが、彼女は私より5歳ほど年下=年は25ぐらいですがバツイチ子持ち。2年ほど前に親の土建業を手伝っている同年代の男性とできちゃった結婚し、DVが原因で半年ほどで離婚、以来実家に戻って生活していますが、彼女は今、一回り以上年の離れた男性(こちらも子持ちバツイチ)と交際しているとの事。

彼女の人生遍歴を聞くにつれ、私が思うのは、

「この人、ケータイ小説みたいな人生送ってるな」

という感想です。

このような、私の知り合いのような人生を送っている人は、田舎にはごまんといます。そう、田舎の人間にとってケータイ小説というのは非常に「リアル」なのです。

私のように東京にいた時期の長い人間からすれば、ケータイ小説の描写は荒唐無稽以外の何物でもありませんが、田舎の人たちからすればあれは本当にありえる出来事なのです。さすがに四六時中レイプされているわけでも、不治の病にかかっているわけでもありませんが、ケータイ小説の話の大筋というか「空気感」は田舎に住む人にとって非常に説得力のあるものになっています。そうした発見は私が岐阜に帰ってきた収穫の一つでした。そしてもう一つ、そうした人の特徴は「田舎から出ない」という事です。それは日常生活においてもそうですし、そもそも人生においてほとんど田舎から出ない。冒頭の私の知り合いを含め、人生の中でほとんど田舎から外に出ない人が本当に多い。

彼女は地元の某商業高校を卒業後、実家から車で30分ほどの街にある某大手企業の支店で働いていました。結婚を機に退職し、現在は実家から数分の場所にある会社で事務をしています。

結果として出られなかったのか、出なかったのかかはわかりませんが、彼女達にとっては東京はおろか、(岐阜における)名古屋でさえ遠くの場所なのです。こうした傾向はおそらく、通っていた高校が関係よるように思います。つまり、端的に言って田舎の人間が田舎から脱出できる唯一の機会は大学受験であった、ゼロ年代において「金の卵」は存在しない。これはあまり指摘されない事実であるように思います。

「都会の普通の人」に比べて「田舎の普通の人」はメディアに登場する事はあまりありません。それは「こういう人だ」という類型があまりない、という事です。数少ない田舎の人格類型の一つがヤンキーでありDQNですが、田舎に住む人の全てがヤンキーでもDQNなわけではありませんし、田舎の子供全員が天山広吉みたいな髪形なわけではありません。誤解なきように言えば、田舎にはヤンキーはほとんどいません。私が高校生だった頃は夜になると必ずどこからかバイクのクラクションとともに「ゴッドファーザー愛のテーマ」が聞こえてきて、それをBGMとして勉強していましたが、いまや、ゴッドファーザーはTUTAYAでのみ目にするものになりました。もっとも、その代わりがシャコタンのステップワゴン(色は黒)から流れる2pacなのかもしれませんが。

ヤンキーでもない、DQNでもない、「田舎の普通の人間」は一体どんな人間なのでしょうか。

まず、一つの田舎の人格類型は前述したような「ケータイ小説」的な人です。これは『小悪魔ageha』的だといえるでしょう。

ですが、ここからは私の推測ですが、もう一つの類型、それはもしかしたら「オタク」なのではないでしょうか。より正確を期すならば「濃度の極めて薄いオタク的なものを嗜好する人」、です。そういう人は『ガンダム』が好きだし、『エヴァンゲリオン』が好きです。ガンプラ作って、DVDをレンタルで見て、『エヴァ』とか『エウレカセブン』とか『北斗の拳』、『花の慶次』のパチンコとかやっている。ひょっとしたら、とらのあなやアニメイトぐらいは行っているかもしれない。だけど、その人はよくはてなダイアリーなどで問題になるようなステレオタイプなオタク像とはかなり異なるし、もちろん以前言われていた知的エリートとしてのオタク像とも大きく違うように思います。

どちらにせよ、2000年代終盤にクローズアップされた郊外や田舎の諸問題を語る際に「『田舎の普通の人』はどこにいるか?」という視点は極めて重大な問題であるように思います。

(republic1963)

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