前原誠司民主党政調会長は、一体何を勘違いしているのだろうか。
確かに野田政権になって、政調会長の権限が強化されることになったようだが、7日、米ワシントンで行った講演は、まるで総理になったような発言で驚いた。
早速党内で反発が起こっているが、私から見ても当然のことだと思う。
一つはPKO(国連平和維持活動)の中身についての見直し論だ。
我が国がPKOに参加する場合、参加五原則という基本方針がある。
1.紛争当事者間で停戦合意が成立
2.受け入れ国を含む紛争当事者による同意
3.中立的立場の厳守
4.以上の条件が満たされない状況が生じた場合に撤収が可能
5.武器使用は、要員防護のための必要最小限に限定
この内、5について、自衛隊と共に行動する他国軍隊についても防衛する必要があると明言した。一見正しい主張に聞こえるが、憲法9条で禁じている「海外での武力行使」や「他国の武力行使の一体化」に抵触しかねない内容である。
又、武器輸出三原則の見直しにも言及した。
日本の場合、すべての武器や武器技術の輸出は政府方針で禁じている。
確かに、今の世界の流れを見ると、新兵器について技術を出し合い開発費を分担できる国際共同開発、生産が主流になっている。日本国内でも経済界などでそうした声もある。だから、必ずしも間違ってはいない。
しかし、問題なのは、そのような議論は国内でまだ十分に煮詰まっていないという点である。
ましてや、肝心の民主党新政権内で、こうした議論は全く為されていないし、第一、極左勢力まである党内でまとまる筈もないのである。
藤村官房長官は、「持論で発言したもの」と冷ややかだし、一川防衛相も直接聞いていないと不快感もあらわだ。しかし、不愉快と言うだけで済む話ではない。世界の国々が注目している。あれが日本の考えかと受け止められるのだ。
この他にも講演で中国を刺激する発言をしている。
これから10月にも野田総理は中国を訪問しようとしているのに、である。
良くも悪くも中国は隣国だし、世界に影響を与える大国になっている。別にへりくだる必要はないが、うまく対応することは大事だ。
これから新政権がどのように話し合っていくのか、今が極めて重要な時期なのだが、その出鼻をくじくような発言ではないか。
ところが、こうした前原氏の勝手な発言に対して、何故か野田総理は一言も触れようとしない。温厚な人だからだとか、党内融和のためだとかでは通用しない。断じて看過できない重要問題なのだ
記事
- 2011年09月09日 17:55
言いたい放題 第210号「何とかしてくれ、祈りたい気持ち」
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