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- 2010年05月29日 21:18
経歴荒れまくり30代の生きる道
献本を頂きました。ありがとうございます。
本書は、人材紹介会社のキャリアカウンセラーである著者が、ブラック企業(本書では「ブラック職場」という言葉を使っている)にどうして人がハマるのか、どうしてブラック企業がなくならないか、というテーマを丹念に追っている。
著者によれば、ブラック職場は、(1)・「新卒使い捨て」の肉食系、(2)・成長チャンスを奪う草食系、(3)・大手だけど「時給がマックやコンビニ以下」のグレーカラー、この三つに分類している。
このうち大手の優良企業で心身とも負荷を強いられるコンサル・トレーダー・キャリア官僚などの(3)は、実はマックの時給よりも高く、ブラックな側面もあるがリターンも多い、ということが実証されているので、帯の煽りは売り口上に過ぎないから、ここでは深く触れない。
(1)では、『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』を引き合いに出しながら、IT業界を例にしている。とりわけ、下請け・孫請け企業の従業員が「売上発生装置」として扱われる、ということを強調している。そして、下請けブラックIT企業が生まれる原因は、「発注先」の「勝ち組企業」にある、とする。
(2)は、サポートセンター業務や、ソフト・ハード検証作業など「スキルにポータビリティ」のない職場を差している。こちらのような仕事に時間を搾取されてしまう若者のキャリアアップが絶たれるということを明示して、人材派遣・業務請負といった問題だけでなく、コスト圧力をアウトソーシングしようとする「勝ち組企業」の存在と、人材の流動性のない日本の雇用情勢に原因を求めている。
筆者は、「正規・非正規の格差だけに注目するな」と主張する。企業規模による賃金格差の比較などを図表で示し、どんな仕事をするかではなく、どんなランクの企業に勤めているかという風土が見直されなければならない、としている。
少し面白かったのは、マスコミ=出版社を「勝ち組企業」とし外注先の番組制作会社や編集プロダクション、そしてフリーライターへの受注条件が悪くなっている、という話を第4章で持ち出していること。高額な人件費の維持のためコストカットのしわ寄せは外注先に向かっている、というのは、最近はそれだけでないものの、的を得た指摘といえるだろう。
しかし、本書を拝読して、ちょっと転職活動をする気が萎えたのは、筆者のキャリアカウンセラーの経験で、企業からのオーダーは下記のようだという指摘。
1・「転職歴の多い人はイヤ」
2・「経歴がバラバラな人はイヤ」
3・「経歴はいいが年齢の高い人はイヤ」
4・「経歴が浅い・薄い人はもう少し若くないとイヤ」
……あのー、私Parsley、ぜんぶに当てはまっているんですけれど!(涙)
筆者はこういった企業風土をある程度風通しを良くして、新卒採用偏重をやめ、雇用の流動化をもたらすべき、という立場で提言をし「転職35歳限界説が日本をダメにする」、という。個人的にもまったく賛成なのだが、こういった風土が明日変わるとも思えず、私は寒風に晒され続けることは分かりきっている。
自分が業界用語でいう「経歴が荒れている」ヨゴレだということが、本書を読むことで改めてイヤという程認識させられた。
と、なってくると、今回のように30代半ばで解雇になった身として、どこかに就業して働いていくという道は長期的に見ると得策とはいえないのかもしれない。
なんとか地を這い回って、ない頭を使って、自分で仕事とお金を掴んでいく。そういったことをたとえ辛くてもやり続けていくしかないんじゃないかな。
私にとって救いは、このブログを続けてきたおかげで様々な業界のひとにいろいろなチャンネルを持つことが出来たこと。
これからは、どんな企業に勤めているとしても、30歳を前に一人になることを想定して、業種やキャリアを構築していくか、誰もが知恵を絞らなければいけないんじゃないだろうか?
本書を読んで、そんなことを考えました。
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