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社会保障費の抑制 暮らしも財政も守る責任感で

高齢化の進展に伴って増え続ける社会保障費の抑制は、財政健全化の観点から避けて通れない課題だが、年金が頼りの高齢者や闘病が長く続く人などにとっては大きな影響があるだけに、慎重に検討しなければならない。どんな決断を下すかに政治の力が試される。

22日に閣議決定された2017年度予算案の編成過程では、所得に応じて医療費の自己負担額に上限を設ける高額療養費制度について、70歳以上の自己負担限度額の見直しが大きな焦点となった。

厚生労働省は当初、対象者が約1240万人に上る「一般」(年収370万円未満で住民税課税)の区分に対し、外来の限度額(個人単位)を現在の月1万2000円から月2万4600円に2倍以上も引き上げる案を提示した。

「一般」には、年金生活者の大半が含まれる。社会保障費の伸びは容易に抑えられるかもしれないが、これでは対象者への影響が大きすぎる。

公明党社会保障制度調査会は「容認できない」と決議し、引き上げ幅の圧縮に向けた折衝を行った。「福祉の党」としての真価が問われる課題であるからだ。

公明党の粘り強い主張を受け、「一般」の外来の限度額は17年8月から月1万4000円、18年8月から月1万8000円とすることになった。引き上げ幅を厚労省案の半分以下に抑えることができたことは、大きな成果と言えよう。

さらに限度額の年間上限を新設し、現行の限度額の12カ月分に当たる14万4000円とした。これにより、年単位で見れば上限額は変わらないことになった。

一方、一定以上の収入がある高齢者については自己負担額を増やすなど、全体として社会保障費の伸びを目標の5000億円程度に抑えられたことも強調しておきたい。

財政健全化を理由に社会保障費の削減ばかりに目を向けるようでは、国民の理解を得られない。とはいえ、削減反対を叫ぶだけでは財政の舵取りを担う与党として、あまりに無責任である。

公明党は「国民の暮らし」と「日本の財政」の両方を守り抜くとの覚悟で、責任ある改革を進めていく。

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