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警察相手の国賠訴訟の勝率は6% 「勝ち負けは関係ない」と母親

 8月21日、東京都千代田区で、「原田信助さんの国賠を支援する会」が主催し、「警察の違法捜査を考える」と題するシンポジウムが開かれた。元北海道警察本部釧路方面本部長で「市民の目フォーラム北海道」代表の原田宏二さん(写真)が基調講演を行った。
 
 「2009年12月10日深夜、原田信助さんはJR新宿駅構内で痴漢として取り押さえられた(翌日、自殺)。その証拠とされる防犯カメラの映像があり、私も見たが、乗客が階段を上り下りしている様子が録画されているだけで、痴漢の場面はない。どうして、これが証拠となるのかわからない。本日、新宿駅へ行き、現場を視察した。事件当時、新宿駅は工事中で、現在は防犯カメラの位置など、状況が異なる。現場で新たな手がかりを見つけるのは難しいかもしれない」

 その後、原田信助さんの母親、尚美さんと「国賠ネットワーク」代表の土屋翼(つちや・たすく)さん、筆者が加わり、メディア・オーガナイザーの大村京佑さんの司会でパネルディスカッションが行われた。

 原田宏二さんは「警察庁に情報公開請求したところ、警察相手の国賠(国家賠償)訴訟の勝率は6%しかない」と指摘。土屋さんが「その6%の中にも、賠償請求金額が数千万円で、認定金額が数十万円などという、形式的には勝訴、実質的には敗訴というケースがたくさん含まれている。警察相手の国賠訴訟はほとんど負けていると考えていい」と続けた。

 原田さんは「警察は自分たちに不利な情報(捜査資料等)を裁判に出さない。それを裁判所も認めている。さらに、警察官証人が法廷で当然のごとく偽証する。これで、原告が勝てるわけがない」と解説。土屋さんは「国賠訴訟は勝てないので、弁護士も引き受けない」と嘆いた。

 以上の議論を踏まえて、筆者は尚美さんに、「勝つ見込みがないのに、国賠訴訟を戦う意義は?」と質問した。

 尚美さんは「息子の名誉を回復したい。息子と同じような冤罪被害者を出したくないという気持ちで、勝つとか負けるではなく、国賠訴訟を提起しました」と答えた。

 8月30日、原田信助さんの国賠訴訟の第2回口頭弁論が東京地方裁判所で開かれる。

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