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日本最強の弁護士

尖閣諸島沖中国漁船衝突事件について、起訴猶予とした検察の理由と起訴相当とした検察審査会の理由を対比してみた。(検察と検察審査会は全く別の組織です)

@外規法違反について

【検察】本邦領海内での被疑者の違法操業について、同種事案と比して特に悪質ではない。

【検審】被疑者は、魚釣島付近で本件以外にも違法操業をしたことがあり、今回も日本の領海内で違法操業を行っているという認識があった。また、拿捕されたり射撃されることは絶対にないと確信していた。

【検察】再犯の恐れがない

【事実】被疑者は帰国後Vサインで取材に応じ「日本(の取り締まり)は怖くない」「また釣魚島に行き、漁をおこなう」と、再び犯罪行為を行うことを公言している。

*外規法違反は船体、漁具等を没収することが可能であるにもかかわらず、昨年9月13日の時点で、漁船を帰国させていることから、この時点で処罰をあきらめていたことが窺える。

@艦船損壊について

【検察】「被疑者が心理的に相当程度動揺して巡視船」に衝突させたことが認められるので、咄嵯にとった行動で計画性はない

【検審】被疑者が本邦領海における警備を軽視し、どのような方法をとっても逃走を図る意思であったと思われる。動画を見る限り、被疑者が、故意に巡視船に衝突させたことは明らかであり当該行為は悪質である。

【検察】巡視船の航行能力を低下させる程度まで至っていない。

【検審】被害総額は1000万円を超えるにもかかわらず、被疑者は、本件に関して謝罪や弁償を全くしておらず、このような態度の人間に対して起訴を猶予すべきではない。

*中国に形ばかりの請求をしただけで、修理費用は日本国民の税金で支払われている。

@公務執行妨害

【検察】公務の執行を不能又は著しく困難とするまでの結果が生じていない。

【検審】「よなくに」は、衝突された直後の被害調査のために、本件漁船を追跡することも他の中国漁船を領海外へ退去させるための取締りを行うこともできなくなり、更に、飛行甲板支柱及び手すり等が損壊したため海難救助用ヘリコプターの運航にも重大な影響を与えた。

【検察】海上保安官らに身体的被害が生じていない。

【検審】「みずき」の乗組員が「自分たちも乗組員も本件漁船に激突して死んでしまう。」、「このまままともに船首が乗組員に当たったら、死んでしまう」等と述べ、海上保安官といえどもかなりの恐怖に直面していた。

*身体的被害があれば傷害罪である。身体的被害がないから公務執行妨害なのである。

【検察】計画性がない

【検審】被疑者が尖閣海域の本邦領海内で操業していたことを認識していたと供述している。逃走を制止しようとした際、「深炉の漁船が日本に捕まったことはない。撃ってこない。巡視船に撃つ勇気なんて絶対ない。」等と乗組員に述べ逃走を継続している。被疑者は、巡視船に追跡された場合、漁船を巡視船に衝突させるなど、どのような方法をとっても逃走を図る意思であったと思われる。


記録上、本件に関する2個の起訴相当議決後、検察官は、海上保安庁への照会等はしているものの、被疑者に関する、中華人民共和国当局への情報提供申し出や捜査共助の申入れを行っていないので、再捜査を尽くしたとは言えない。

更に、検察官は、本件以後、尖閣諸島海域付近の本邦領海内で操業する中国漁船は激減していると述べるが、中国漁業監視船の接近は増えており、尖閣諸島の本邦領海及びその接続水域が、本邦の漁業に従事する者にとって安全な海域になったわけではない。

当検察審査会は、本件が日本国と中華人民共和国間の外交問題に発展したことを憂慮し、今後の両国の関係改善を期待するものである。しかし、本邦領海内での被疑者の行為は処罰に価するものであり、当検察審査会は,民意を表明するため、そして市民の正義感情を反映させるために被疑者を起訴すべきだと判断した。

また、当検察審査会は,第一段階の議決でも述べたように、わが国の領海の警備をする海上保安官の権限を強化し、わが国の領海での響備の実情を国民に知らしめるためにも海上保安官撮影の動画を国民に公開するよう重ねて希望するものである。

検察審査会は、検察が再捜査を尽くしていないと批判し、尖閣諸島海域の安全に配慮し、海上保安官の権限強化にまで踏み込み、更に、中国との外交関係にまで言及している。

これらは本来、誰がやらなければいけなかったのか?

一般国民の集まりである検察審査会が行う前に、やるべき人たちがいたはずである。

また、こうして対比してみると、この被疑者は日本で最強の弁護士を日本の国費で雇ってもらっているような感がある。

しかし、最強の弁護士といえども、国民の良識には勝てないことを証明しなければ、裁判員制度を導入して目指した「裁判への民意の反映」や「裁判や司法への信頼性の向上 」という目的の達成は難しいであろう。

そして、このように、一般の国民から見て到底受け入れがたい弁明を繰り返す検察官と、それを追求しないばかりか、裁判が開かれないことを前提に報じる多くのマスコミ。

そこには、我々一般国民には窺い知れない何らかの絆があるのだろう。

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