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年1mSvの基準は出たものの、実現の可能性が見えてこない

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細野大臣が、それまで環境省が基準にしていた年間5ミリシーベルト(mSv)ではなく、年間1mSv以上の地域は国が責任をもって除染すると大見得を切って見せた。もし本当にやるとなると、関東地方まで含まれる。



5ミリ・シーベルト未満も除染支援…原発相(2011年10月2日 読売新聞)

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20111002-OYT1T00488.htm



とはいえ政府、行政機関はともに、除染作業にどのくらいの時間がかかるのか、除染すれば線量は下がるのかなどの見積もりは持ち合わせていない。5月3日の
政府・東京電力合同会見で園田政務官は、除染作業の今後について「各市町村で計画を立てている段階。それだけの期間がかかるかは、いろいろなバリエーショ
ンがある。それがいつ終わるかは、答えづらい。それぞれお市町村の計画を元に、実証実験をする」とコメント。除染をするとはいえ、技術の確率、除染で低減
できる割合、必要な時間などがわかるのは、これからの話だ。



ではその間、汚染地域はどうなるのかというと、今のままの状態が継続することになる。ここで問題なのは、ひとつには、「なにをもって1ミリと認定するか」がある。国にモニタリングを任せていると、「低い」といわれた時にどうにもならない。



空間線量率は、周囲に他の線源がなければ、距離に対して二乗で下がる。だから正確な値を計測するには、細かいメッシュでやることが必須だ。例えば文科省の学校校庭でのモニタリングのように、広い場所でサイコロの5の目の場所を計測しても、不明な場所の方が広いのは自明。この数値をもって基準にすると、実際に除染が必要な場所が対象からはずれる可能性がある。



校庭ほどの広くない家の敷地内でも、場所によって数倍は違うことが、政府・原子力災害対策本部のモデル事業からもわかる。線源が比較的近いと思われる一般家庭でこうした状況になっていることを考えると、学校の状況を把握するためにはさらに細かい測定が必要なのではないだろうか。そう考えて、地元自治体では雨どい近くや校舎の裏などの測定を続けている場合もあるが、こうした測定に対して国が支援する体制が求められていると思う。



生活圏に存在する特定線源の清掃活動(除染)に関する実証実験の概要
http://www.meti.go.jp/press/2011/07/20110715009/20110715009-4.pdf



加えて、除染は平面的に徹底してやる必要がある。そうしないと、単に放射性物質が右から左に動くだけになる。自分の家は少し下がっても、隣の家の線量が上がってしまう、ということも起こりうると、神戸大学大学院の山内知也教授は指摘している。これをもっと広範囲で考えると、除染をした町内、あるいは自治体では線量率が下がっても、隣町が上がるということもありえる。これではなんの意味もない。(http://www.youtube.com/watch?v=x4JWkg3AZS4



だから1ミリ以上を除染補助対象にするということは、突き詰めて言えばその周辺の自治体含めて広範囲の除染を、同時に実施する必要があるということになる。まあこれは、基準が5ミリでも同じことではある。結局は周りも含めてやらないと意味がない。



そうしたわけで、東北〜関東地方という広範囲の除染がほんとに可能なのか、あるいは線量率が高い地域はほんとに下がるのか、そこを下げた場合に周辺地域への影響はどうなのか等、考えないといけないことは多い。しかし政府は今のところ、必要と思える除染方法について明確な方針を持っているわけではない。



さらに、除染した後の廃棄物はどこに置いておくんだということになると、どうも首をかしげざるをえない。5ミリ基準の場合、福島県内だけで東京ドームが23杯分という試算も出ている



福島除染土、最大2800万立方m…環境省試算(2011年9月25日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20110316-866921/news/20110924-OYT1T00889.htm



除染するといっても、破棄物処分、技術的に可能かどうかなどを考えると未解決の問題が山積。いつまでかかるかの目処も立たない。作業する人たちの被ばく管理も計画性がない。こうした状況を考えると、避難を解除した後に、元の居住地に戻すのか、移住するのかという選択肢が示されてもいいのではないだろうか。

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