- 2016年12月22日 07:00
志の大小はどうだっていい。人と比べずに、信じた道を進める人が強い──ヤフー伊藤羊一さん
1/2できることなら優秀な人でありたい――。
社会に出て働いている人の多くがそう願うのではないでしょうか。でも、優秀な人ってどういう人だろう。ストレートな質問を第一線で活躍する人にぶつけてみたい。
今回お話を聞くのは、ヤフー コーポレート統括本部 Yahoo!アカデミア本部長 伊藤羊一さん。名だたる企業を渡り歩き、数々の実績を残してきた伊藤さんですが、昔はむしろ「だめな社会人」だったといいます。サイボウズ式インターン生の中川が聞きます。
優秀な人は、スキルとマインドをバランスよく持って、行動に移している
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就活中、社会人の方々と会ってお話をするなかで、気になったことがあります。「社会で優秀な人とは、いったいどんな人なのか」ということです。人によって定義は違うのかなとは思いますが、伊藤さんから見て優秀な人とはどういう人ですか?
話し始めたものの、すくっと立ち上がる伊藤さん。

ホワイトボードがあると落ち着くんですよね(笑)。
ホワイトボードに三角形を描き始め、3分割する。一段目と二段目の間に長い線を引いて、水面上と水面下に分ける。


一番上が「行動」で、人から見える部分です。行動の下が「スキル」、一番下が「マインド」で、人からは見えない部分です。行動に移してようやく出てくるもの、といってもいいですね。
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図でいうと水面下にあるんですね。

そうそう。いくら高いマインドを持っていても、行動しない限り、ほかの人には見えないわけで。だから、結果を出すうえで、行動って大事なんですよ。
少し横道に逸れましたが、つまり、僕が考える優秀な人はスキルとマインドをバランスよく持っていて、かつ行動に移せる人が優秀な人だと考えています。ちょっとぼくの昔話をしてもいいですか?
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伺いたいです。

ぼくは新卒で銀行に入行して、営業をやっていたんですよ。当時「結果が出るまで帰ってこなくていいよ」と、20時過ぎくらいに放り出されて。
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え(笑)。
伊藤 羊一さん。ヤフー株式会社 コーポレート統括本部 Yahoo!アカデミア本部長。東京大学経済学部卒、1990年日本興業銀行入行、企業金融、債券流動化、企業再生支援などに従事。2003年プラス株式会社に転じ、ジョインテックスカンパニーにてロジスティクス再編、事業再編・再生などを担当後、執行役員マーケティング本部長、ヴァイスプレジデントを歴任、経営と新規事業開発に携わる。2015年4月ヤフー株式会社に転じ、Yahoo!アカデミア本部長として、次世代リーダー育成を行う。グロービス経営大学院でリーダーシップ科目の教壇に立つほか、IBM Blue Hub、KDDI ムゲンラボ、MUFG Fintech アクセラレーター、学研アクセラレーター、森永アクセラレーター、Code Republicなどのインキュベーションプログラムでメンター、アドバイザーを務める。

変でしょ(笑)。22時くらいまで帰れないんですよ。当時「行動こそが重要である」と指導されたのを覚えています。
それ自体は正しい。だけど、何度もお伝えしますが、行動を生み出すのはスキルとマインド。これこそが忘れてはいけないことなんです。
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個人的には、両方をバランスよくもつべきなのかなぁ、とは思います。

おっしゃるとおりで、どちらが欠けてもうまくいかないんですよ。たとえば、スキルはなくても、強いマインドを持つ人はたくさんいます。
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気合だけは十分! みたいな。

でも、そういう人はスキルがないから、正しいやり方で進められないし、なかなか結果に結びつかなくて、空回りしちゃうんですよね。
一方、スキルはあっても、マインドは弱い人というのもいますよね。そういう人はマインドという「土台」がないから、トラブルや修羅場に遭遇したり、上司と反りが合わなかったり、何かあったときにブレやすいんですよ。
スキルと同じで、マインドは鍛えられる
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そんな特徴が。ここで、マインドとスキルを因数分解できたらと思うんですが、まずマインドとはそもそも?

日本語にすると、志とか情熱といったところかな。マインドの土台になっているのが、何が好きで、何が嫌いで、何が心地よいか……といった、自分自身の「価値観」ですね。
価値観という土台の上に、自分が譲れない「軸」が立っていて、軸の上に自分が成し遂げたい「志」があり、その全体がマインドを形成しているんじゃないかな、とぼくは思っています。
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わかりやすいです。ちなみに、マインドの部分が「自分のため」という人に、優秀な人はいますか?

最初のうちは「(自分が)成功したいから」と、自分のためにがんばるのでよいと思います。エネルギー・原動力になりますし、実際、行動に移せていますから。
そのなかで、「マインドを鍛えて行動に移す→行動に移すからマインドが鍛えられる……」といった正のサイクルを回せている人は、成長して必ず優秀な人になっていきます。
それとともに、マインドが自分のためではなく「人のために」「世のために」という方向へ、徐々に変化していくんじゃないでしょうか。いろいろな人を見ていて、ぼくはそう感じていますよ。
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マインドって鍛えられる要素なんですね。

価値観・軸・志で成り立つマインドはある種、スキルと同じようなものですから。スキルも鍛えられるでしょ? とくに価値観は、鍛えるものということではなく、自分をじっくり見つめれば、自然と浮き上がってくるものだと考えています。
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嫌な自分、カッコ悪い自分、ダサい自分も見えてきそうです。

それでも見つめる。いきなり「あなたの価値観はなんですか?」と聞かれても、とっさに答えられないでしょ(笑)?
自分が何を考えているかをひも解くと、自分とは何か、どんな人生を送ってきたか、出来事のひとつひとつが自分にどんな影響を与えたか……などが見えてきます。



