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【読書感想】世界観

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世界観 (小学館新書)

Kindle版もあります。

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世界観(小学館新書)

内容(「BOOK」データベースより)
本書はこの5年間に世界で発生した大事件に対して、作家・佐藤優氏が正面から思考した記録である。国際情勢分析は、同氏にとって外務省主任分析官時代からのライフワークである。インテリジェンスや地政学、宗教的知見から事象の「本質」を導き出すアプローチは、大陸から隔絶された島国で暮らす日本人が国際社会で生き抜く術でもある。

 佐藤優さんが『SAPIO』に連載している『インテリジェンスデータベース』の2011年12月号から2016年12月号分をテーマ別に再編集し、古めのものには補足を加えて新書化したものです。

 佐藤優さんの話、とくに世界情勢の分析をきくと、「同じ世界を生きているはずなのに、日々の仕事と生活に汲々としている僕の知らないところで、こんなふうに世界を動かしているシステムが存在しているのだな」と、ちょっと不思議な気分になります。

 そういう世界への憧れも少しはあるのだけれど、たぶん、直接関わらないで生きていけるというのは、僕にとっては幸せなことなのだろうな、とも思うのです。

 この本を読んでいると、世界はずっと薄氷を踏み続けているような気がしてきます。  でも、こうして「ニュースで伝えられていることの、もうひとつ深いところ」を知るというのは、けっこう面白いんですよね。  外交官は「面白い」じゃ済まないのでしょうけど。

 先日、久々に訪日したロシアのプーチン大統領については、もともと佐藤さんがロシアの専門家ということもあって、とくに詳しく分析されているようです。

 1956年の日ソ共同宣言では、平和条約締結後にソ連が日本に歯舞諸島と色丹島を引き渡すことが記されている。共同宣言は両国の国会で批准されているのでソ連の継承国であるロシアは2島引き渡しの義務を負っている、どうも首相官邸と外務省は、今年12月15日に山口県長門市で行われる安倍晋三首相とロシアのプーチン大統領との会談で、共同宣言を手掛かりに北方領土問題の打開を摸索しているようだ。
 ところで日米安全保障条約では、日本の施政が及ぶすべての領域で米軍が活動できることになっている。歯舞群島と色丹島の返還が実現した場合、この2島は日本の施政が及ぶようになる。そうなると歯舞諸島、色丹島においても米軍が活動できるようになる。  現在の米露関係の緊張を考えると、米軍の活動が歯舞群島と色丹島に及ばないことをプーチン大統領は引き渡しの条件にするであろう。日本がこの条件を呑めば、日米安保条約の適用除外地域が生じることになる。これによって日米同盟に風穴を開けることができればプーチン外交の大勝利だ。
 同時に日米同盟は弱体化する。特に日本が歯舞群島と色丹島を適用除外にするあらば、米国が「それならば中国との武力衝突のリスクを負う尖閣諸島は日米安保条約の適用除外地域にする」というカードを切ってくる可能性がある。この難問を外務省はどのようにして解決するつもりなのだろうか。外務省幹部の発言から、このような難問について考えている気配がまったく感じられない。どうも偏差値秀才型の外務官僚には、多くの事象が同時進行する複雑系としての現代の世界の動きをとらえることができないようだ。

 本当に日本の外務省が、そういう可能性を想定していないとも思えないというか、思いたくはないのですが……
 まず2島返還となったとしても、まあ、現実的なところで、日本としては悪くないと考えていたのですが、結果的には、ロシアも「タダでは返さない」ことになりそうです。
 ちなみに、佐藤さんは、トランプ大統領になったら、こういう問題に対して、「例外を認める」という現実路線をとるかもしれない、と仰っています。
 それは、尖閣諸島の問題についても「例外」にされてしまうかもしれない、というリスクはあるのですが。

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