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レバノン新政府

レバノンでは、なんともはや2年以上も大統領を選出できない状況が続いていましたが、やっとこの10月末にミシェル・アウンが選出され、彼から首相に指名され、レバノン政府を作ることを要請されていたサアド・アル・ハリーリの新政府の名簿が18日夕刻発表されたとのことです。

大統領から指名されたから1月半ということですから、最近のレバノンの政局からすれば、早いというべきでしょうか。

新内閣は首相も含め30名からなり、ヒズボッラー(議会での首相に対する信任投票では棄権した由)からも閣僚が出ているが、キリスト教マロン派のカタエブfallangist党は、彼の任命に反対し、閣僚も出していない趣。

http://www.alquds.co.uk/?p=647188

https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/2016/12/19/لبنان-إعلان-تشكيل-الحكومة-الجديدة-برئاسة-سعد-الحريري.html

これで一応レバノンは大統領も政府もできることになるが、傑作なのはその構成で、特にシリアとの関係を見れば、皮肉としか言いようがない感じがする。

まず大統領になったアウンだが、彼はレバノン内戦の際、最後まで強硬にシリア軍の侵攻に反対し、命からがらパリに亡命していた男で、その後レバノンに舞い戻り、ヒズボッラーと同盟を組み、今回の大統領選挙でもヒズボッラーの候補として選らばれたとされている。

他方、ハリーリは昔ベイルートのど真ん中で爆薬で暗殺された(暗殺は現在のアサド大統領の命令とされている)故ハリーリ首相の息子で、その意味ではアサドの天敵ともいうべく、かってはヒズボッラーの最大の敵手であったのが、その後アサドとも和睦をして(確か彼とも会談していたかと思う)今回はヒズボッラーの大統領の下で、首相を務めることとなったものです。

矢張り、レバノンにとって最大の影は、シリアで、ヒズボッラーの存在が示すように、好き嫌いにかかわらず、イリアとは共存していかなければ、レバノンという国家が成り立って行かない状況にあるとも言えましょう。

その意味では、ヒズボッラー系の大統領と故ハリーリの息子の首相という組み合わせは、レバノンの「叡智」の結晶とも言うべき組み合わせかもしれません。

いずれにせよ、レバノン内戦時代は、レバノンの内政、社会、政治、宗教勢力等が国際社会の大きな関心の的で、良く報じられてもいましたが、今となってはレバノンの状況は、シリアの影の下にある小国のコップの中の嵐ともいうべく、あまり大きな関心を引いてこず(シリアとの関係でテロ事件や宗派間衝突が生じて時以外は)、私も真面目にはフォローしては来ませんでした。

しかし、中東全体から見れば、その比重は大きく下がったとはいえ、多くの宗派からなるレバノンの政情が極めて複雑であることに変わりはなく、これをきちんとフォローするためには相当の時間と労力が必要でしょう。

その意味で、上に書いたこともそのような複雑なレバノン情勢から見たら、極めて知識不足のいい加減な見方である可能性は否定できません。

そうは言っても、とてもそこまで手が回らないというのが実情ですので、今後とも何か大きな動きがあれば、随時書いていくつもりではありますが、極めて不十分なやっつけ仕事である可能性も強いので、その辺はご寛恕願います。

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