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<フジ記者が暴力団関係者に名義貸し>接待に恩義を感じさせるヤクザの技術

保科省吾[コラムニスト]

***

どうしてこんなことになるのか。疑問を感じた人も多いだろう。

フジテレビ報道局社会部の記者が、暴力団関係者の取材対象者に高級車購入の名義貸しをした。社員は20回程度飲食店で接待を受けたが「反社会的勢力だとは認識していなかった」としている。

まず、高級車ディーラーは直接的には反社会的勢力に車を販売しない。反社会的勢力に車を販売すると高級車のイメージが悪くなり、結果的には売り上げに響くからである。しかし、反社会的勢力は高級車に乗りたい、そこで裏道を使う。

これは本件とは直接関係ないことであるとお断りした上で、以下にヤクザの巧妙な「技術」について述べてみたい。

ヤクザが人に金を渡すときは「お礼だ」といって、ことが済んだ後に渡すことはない。ことが始まる前に渡す。

「ここに300万あるんやけど、オレが持っていても使い道がないんや。いくらあっても困らへんやろ。おまえもろてくれんか、もろてくれると俺は助かるねん」

既に論理が破綻しているが、貰う方はカネに目がくらんで気づかない。

「そう言うのなら、せっかくなので・・・」

などと言って貰ってしまう。その後しばらく世間話などをする。30分くらい話をしたら300万円やった方が切り出す。

「あのなあ、実はおまえに頼みがあるんやけど、ひとり沈めて欲しい奴がおるねんけど」

金を貰ったほうは、断れなくなっている。これは接待も同じだ。最初から反社会的勢力だと言って近づいてくる奴はいない。

【参考】<フジテレビ凋落の理由>テレビを見なくなった若者に向けた番組ばかりを作る愚

まず、一緒に会食をする。すると、いつの間にか勘定が済んでいる。なぜ、おごられたか考えるべきである。ここで、受けてしまえば次は危ない。

おごりが数回続いたあとに、今までは見たこともなかった強面の人物が現れる。いつも、おごってくれていた人物は急に立ちあがって直立不動になり、「いつもごちそうになってありがとうございます」など言う。

気づいたときにはもう遅い。そして、

「頼みがあるんやけど」

となるわけである。

重ねて断っておくがこれはフジの利益供与事件には直接には何もにも関係がない、あくまでも「よくあるパターン」の話だ。

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