- 2016年12月18日 23:20
領土問題なんて存在しないから
なんでもCIAの主張するところでは、アメリカ大統領選で起きた民主党陣営へのサイバー攻撃にロシアが関与していたのだそうです。トランプを勝たせるために、と推測されていますね。まぁ過去を振り返ればロシアのエリツィンなどは国内でさっぱり人気のない大統領でしたが、「西側」からは高く評価されていたわけです。西側の望んだ「弱いロシア」を実現させたからでしょうか。そして現在はトランプが、新しいエリツィンの役割を期待されているのかも知れません。トランプであればロシアの望む「弱いアメリカ」を実現させてくれる、そんな可能性はありそうです。
何はともあれ選挙の結果が出てしまった以上、世界はトランプと付き合っていく必要がある、そのトランプが指図するアメリカ政府の動き次第で国際情勢は否応なしに変わっていくものです。先日はトランプが台湾総統と電話会談を行ったとかで微妙に物議を醸したりもしているようですが、いかがでしょうか。これまでは台湾政府を一段低く扱うことで中国への敬意が表されていましたが、それが早くも崩れようとしているのかも知れません。一方で我が国はロシアのプーチン大統領を迎えて首脳会談を行いました。今まではロシアと距離を置くことを以てアメリカ優先の立場を表明してきたわけですけれど……
<日露首脳会談>与党内にも落胆 二階氏「国民はがっかり」(毎日新聞)
安倍首相がプーチン露大統領との会談を重ねる中、一時は領土問題の進展を期待する見方が国内に広がっていた。自民党の二階幹事長はその点を指摘し、「経済問題も大事かもしれないが、人間は経済だけで生きているわけではない。国民の大半はがっかりしているということは心に刻んでおく必要がある」と苦言を呈した。
野党からは、民進党の蓮舫代表が「領土問題は置き去りにされているかのような印象はぬぐえない」と述べ、年明けの通常国会でただす考えを示した。
共産党の志位和夫委員長は「信頼とか経済協力とかで動く国ではない」とロシアに矛先を向け、共同経済活動についても「ロシアの統治を後押しするだけだ。ますます返還が遠のく」と批判した。
……で、この辺の領土問題ですとか対ロシア問題となりますと野党側の方がタカ派色が強いところもありまして、首脳会談の結果には批判の声も出ているようです。まぁ、「固有の領土」なんてファンタジーが日本国外に通用するはずもなく、領土拡張主義者の幻想が満たされるような進展など未来永劫あり得ないのはわかりきっていることです。今回の日ロ首長会談は概ね妥当な結果であった、北方領土に関しては利権をつかむことが最大の現実解であり、現段階ではまずまず悪くない一歩であったと評価されても良いのではないでしょうかね。
往々にして国民を喜ばせる政治は、後々に国民を苦しめることへと繋がるものです。小泉純一郎は戦後で最も日本の有権者を悦ばせた政治家であったかも知れませんが、日本を経済大国から脱落させた政治家でもあります。トランプも支持者を熱狂させてこそいますが、その先はどうでしょう。ヒトラーだって、ドイツ人を大いに歓喜させてきたものですが結果は言うまでもありません。そして二階幹事長のような特権階級は経済が衰退しても悠然と生きていけますが、普通の国民の生活は経済情勢に大きく振り回されます。金がなければ人生からは次々と選択肢が奪われてゆくものです。例え国民をガッカリさせることになったとしても、経済的利益を確保してくれる政治家こそ、国民の役に立つ政治家と言えます。
そうした意味では安倍晋三の方が、その批判者よりはまっとうな判断をしているように私には思えるのですが、将来的にはどうなるでしょうね。東京都知事選や都議会でのグダグダを見るに、与党内の統制は必ずしも十分に取れていないようにも見えますし、惰弱きわまりない野党も何かキッカケ(与党側の金銭問題等々)があれば攻勢に出てくることもある、そうして安倍内閣側が追い込まれるような展開になれば、今とは反対に国民を喜ばせる選択に走って現実的な利益が蔑ろにされる、ロシアとの関係も悪い方向に逆戻りする可能性があります。そうならなければ良いな、とは思いますが。



