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【IR法の性質】

今回のIR法案については、「カジノ法案」です。しかし、こういう事を言うと、委員会でも「レッテル貼りだ。今回整備するのは、包括的なリゾート施設であり、カジノはその一部に過ぎない。」という反論が返ってきます。また、よく「IRの中でカジノが占める面積は3%」という言い方もたくさん出てきました。こういう本質を見誤らせる言論が委員会審議でも跋扈していました。

 

しかし、世界のIRの中には「収益の8割がカジノ」という場所もあります。「面積3%」は安倍政権によくありがちな「都合のいい数字」です。面積だけでその重大性を矮小化する数字のマジックはもう不要であり、そのような理屈だけを振り回すのは、国民を欺く行為であり止めるべきです。

 

また、「カジノ法ではない」との主張に対しても、よく考えていただきたい。ディズニーランド法がありますか、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン法がありますか、ハウス・テンボス法がありますか。リゾート施設を作るのに、特別法は必要ないのです。何故、このような法律が必要になっているかといえば、それは刑法上の「賭博」に当たるカジノの違法性を阻却する必要があるからです。カジノを開設する行為は賭博場開帳、そこでカジノに参加するのは賭博です。刑法第二十三章の賭博罪、賭博場開帳図利罪の構成要件はすべて満たしています。先日、ある与党議員の方が「IR法が出来れば、カジノは賭博でなくなる。」という解説をマスコミにしているのを漏れ聞きましたが、これは全く違います。IRと言って、周囲にたくさんリゾート施設をくっ付ければ、賭博であるカジノの本質が変わるのではありません。

 

しかし、それでも違法でないとすることが出来るのは、刑法第三十五条の正当行為とする必要があり、そのためには法律が必要なのです。そこを「IR法でありカジノ法ではない。」とするのは、立法機関に拝命する者として看過できない議論です。何を恐れているのですか、カジノ法と言われると評判が下がると思っているからですか、そんなに自分達が出している法律に自信がないのですか。

 

そもそも、何故、この法律は議員立法なのでしょうか。議員立法で政府にやれと指示を出し、政府が作業をするという二本立てなのでしょうか。それはこれまでの賭博罪の違法性阻却について、政府が極めて厳しい姿勢を取ってきたという事があります。かつて、カジノ特区を作ろうという動きがありました。その時、最後の最後まで法務省が反対をしたという経緯がありました。今回もカジノの実施法を閣法で出す事について、政府が反対したのでしょう。政府が出したがらないので、立法府として「やれ」と指示する法案を作らざるを得なかったのでしょう。与党として、本当に本法案が必要だと感じるのであれば、何故閣法でやる努力をしないのでしょう。今、やろうとしているのは、政府のこれまでの賭博罪違法性阻却に対する厳格な姿勢を、議員立法で乗り越えるという事ではないですか。違いますか。

 

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