- 2016年12月15日 08:30
【読書感想】巨人軍「闇」の深層
1/2- 作者: 西﨑伸彦
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- 作者: 西﨑伸彦
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内容(「BOOK」データベースより)
現役投手が複数関与し、ドン渡邉恒雄も退陣に追い込まれた野球賭博事件。大スター清原和博元選手のシャブ逮捕事件。原辰徳監督を襲った1億円恐喝事件…。栄光の読売巨人軍に何が起きているのか?野球選手を狙う反社会的勢力の巧みな手口とコンプライアンスの陥穽に鋭く迫る!
うーむ、巨人の選手たち、ここまで「反社会勢力」に食い込まれているのか……
そう思うのと同時に、『週刊文春』の調査力のすごさに驚かされます。
どうやってこんなやりとりを「見てきたように」書けるんだろう。
もちろん、書かれていることが100%の事実とは限りませんし、当事者のコメントにしても、主観的な見解、というのもあるんですけどね。
ただ、練習中の「賭け」については、巨人だけの話ではないみたいだし、野球賭博とか覚せい剤はさすがに他のチームの選手はやっていないとは思いたいけれど、「巨人だけ」とも言いきれないな、とも感じています。
巨人の選手寮の生活は厳格で規則正しい。午前9時半から練習が始める日は、7時半までに起きなければならない。朝食は午前6時から8時まで。試合の日はさらに起床時間が早まる。基本的に食事は寮で食べることになっており、夕食は18時から20時の間。起床時間や夜10時の門限に違反すれば、罰金が加算される。
そうした厳しさの反面、寮内での生活には賭け事が日常に入り込んでいたという。
松本(竜也・元投手)証言の圧巻は、巨人軍の選手が練習中も毎日のように現金を賭けていたことだった。それぞれのポジションの選手が一ヵ所に集まって順番にノックを受ける”ファンゴ”と呼ばれる練習の際、エラーをした選手は同じ組の選手に一万円ずつ払うという賭けだ。練習が”ファンゴ”モードに入ると、「じゃあ、今日は”ヘビ万”いきますか」との掛け声で賭けが始まるのだ。 ”ヘビ万”とはレートが一万円という意味で、これが千円なら”ヘビ千”となる。ジュースを賭けるときは”ヘビジュー”と称していた。
巨人軍では昔から行なわれていた慣習だというが、一般の感覚からすれば、それはチーム内に賭け事が蔓延している実態そのものだった。
松本本人にとっては、野球賭博もこうした日頃の賭けの延長の感覚だった。笠原から「面白くて、稼げるものがあるぞ」と誘われた時には、何の躊躇いもなかったという。一回の賭け金も十万円から最高額は三十万円になり、一時は毎日のように賭けに参加し、トータルで約六百万円は野球賭博に注ぎ込んだ。そして、彼はすべてを失った。
こういう「練習中の賭け」に関しては、巨人以外のチームでも行なわれていたことがその後の調査で明らかになっています。
これを読むと、ジュースくらいなら、かわいいものじゃないか、とさえ思えてくるのですが、ここまで賭け事が蔓延していると、お金やギャンブルに対する感覚が麻痺してくるのもわかるような気がします。
選手寮では、選手に対して学生寮のような厳しい時間の管理が行なわれている一方で、賭けトランプや賭け麻雀が日常的に行なわれていることも告発されています。
綺麗事ばかりの世界じゃない、ということは承知しているつもりでも、やっぱり、「なんだかなあ……」と思うところはあるのです。
「だから巨人は……」というよりは、「みんな、多かれ少なかれやってるんじゃないか」と考えてしまうので。



