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縮小するタクシー業界、利用者の減少続く中、 初乗り運賃410円なら「利用回数増える」60.0%

サイトウ イサム[著] / 加藤 秀行[著]

 タクシーの利用者が減り続ける中、初乗り距離を短くして額を引き下げた410円タクシーの実証実験が実施され、利用者からは好評だった。

 一般社団法人 全国ハイヤー・タクシー連合会が公表している資料によると、平成27年3月31日時点の法人タクシーの車両数は、前年度比1,373台減の19万1,363台、個人タクシーの車両数は前年度比1,150台減の3万6,962台だった。

 過去の推移をみると、平成2年3月末時点の法人タクシーの車両数は20万3,227台で、個人タクシーの車両数は4万7,221台、10年前の平成17年3月31日時点の法人タクシーの車両数は21万9,120台で、個人タクシーの車両数は4万6,360台だった。タクシーの車両数は、平成14年の規制緩和で平成19年にかけて増加したものの供給過剰が問題になり、国は平成21年にタクシー特別措置法を施行するなどして規制強化の方向に転換。以後、タクシーの車両数は減少傾向にある。

 平成26年度の輸送人員は、前年度比9万465人減少して15億5,726万3000人だった。過去の推移をみると、平成元年度が33億50万人、平成16年度が22億4,385万5,000人で、タクシー利用者の減少傾向は続いている。

 そんな中、8月5日から9月15日にかけて、新橋駅東口や浅草駅前など都内4カ所のタクシー乗り場で、初乗り距離を短くして額を引き下げる「初乗り運賃410円に係る実証実験」が実施され、その結果を国土交通省が10月17日に発表した。実証実験にはタクシー事業者23社から40両が参加し、1万368名の利用者からアンケートによる回答を得た。回答者の内訳は日本人が1万201名で外国人が167名。

 日本人の回答者に、初乗り410円タクシーの利用意向を聞いたところ、60.0%が「利用回数が増える」(「月に6回以上増える」15.8% 「月に3~5回程度増える」20.3% 「月に1~2回程度増える」23.9%)と回答した。「ほとんど変わらない」は29.7%だった。現在の平均利用回数は月に4.8回だが、410円タクシー導入で月に7.0回に増加するとの結果が得られた。また、410円タクシーを利用した外国人にその価値観を聞いたところ、「安価」が36.5%、「適当」が39.5%だった。「高価」は4.8%で「不明」は19.2%だった。

 初乗り410円タクシーの実証実験では、利用者からおおむね良い評価を得た。短距離タクシーが定着し、高齢者による日常生活での利用なども増えれば、タクシー業界に好影響を与えそうだ。

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