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原油安問題 産油国は減産の確実な実施を

原油価格の大幅な下落が世界経済を減速させる主な原因となっている。この“逆オイルショック”ともいえる問題に対し、解決への道筋がようやく示された。

中東や北アフリカなど14の産油国が加盟する石油輸出機構(OPEC)は先月、OPECに非加盟の産油国とも協力し、原油の生産量を減らすことで合意、きょう10日にも、非加盟産油国を加えた会合を開き、合意を最終的に決定する。

現在の原油安は、世界的な原油の供給過剰が原因であるため、原油の減産は喫緊の課題となっていた。それだけに、産油国が足並みをそろえて減産に踏み切り、原油価格の安定化に向けて動き出そうとしていることを評価したい。

実は、原油価格の下落は、産油国に大打撃を与えている。歳入の約7割を原油輸出に頼っているサウジアラビアでは、2016年の財政赤字が国内総生産(GDP)比で13%に達する見通しであるという。

産油国は、原油高で潤っていた当時は、先進国の株式や債券を積極的に購入してきたため、世界市場の有力な投資家としての顔を持っていた。しかし今では、原油安による財政の急激な悪化で、資金不足を補うために投資を自国に引き揚げており、これが世界的な株安を招いている。

日本のような原油輸入国にとっては、ガソリンをはじめ、電気やガス料金などが値下がりするなど、原油安の恩恵は少なくない。しかし、産油国の不安定化は、世界経済にとって大きなリスクである。

OPECが減産の方針を打ち出したことを契機に今、原油価格は、国際的な原油価格の指標となる米国産標準油種(WTI)価格で1バレル=50ドル台前半まで値上がりしている。一時期は30ドルを下回ることもあったため、下落傾向に歯止めがかかりつつあるといえるが、14年上半期までは100ドル台で推移していたことを考えると、原油安は依然、深刻な問題である。

OPECは今回の合意に基づき、減産を確実に進めるため、産油各国の合意の実施状況を監視する機関の設置も決めた。長引く財政不安を立て直すためにも、産油国の本気の取り組みが求められる。

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